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〈平等〉の人類史 ―先史時代から アイデンティティ・ポリティクスまで ダリン・M・マクマホン 著、東郷えりか 訳

  • 3月26日
  • 読了時間: 1分

更新日:5月19日


本書は、「平等」という概念の起源を先史時代にまでさかのぼって考察する。


石器時代の洞窟画に見られる処刑場面や集団行動の描写を手がかりに、権力の独占や序列化への警戒が働き、集団の結束を脅かす「成り上がり者」を排除することで秩序維持の機能が果たされていたことを紹介する。


しかし、農耕と定住が進むにつれて富と権力の集中が生まれ、「不平等」が構造化していく過程を、時代とともに追っていく。


古代ギリシャでは市民の「平等」が掲げられた一方で奴隷は排除され、宗教も共同体の結束を促しつつ異教徒を分断した。


近代においても「平等」がうたわれながら、性別・人種・資産による差別は依然として残った。


20世紀に台頭したファシズム国家は「平等」を自民族に限定し、他者の排除を正当化した。著者は、当時の日本もナショナリズムを利用し、国民統合と排除を同時に進めたと指摘する。


現在も格差拡大や排外主義など、「平等」は未完の課題である。だからこそ、その実現に向けて人類史をたどる作業は必要だと認識させられる。


(作品社刊、4950円)


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