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時の焦点


時の焦点<国内> NATO大使来日
防衛協力深めたい 北大西洋条約機構(NATO)に加盟する32カ国中、30カ国の大使らが来日し、茂木外相や小泉防衛相らと会談した。来日前には、韓国も訪問したという。NATOの訪問団としては異例の規模だ。 米国が国際秩序に背を向け、世界中に動揺が広がっている。トランプ米大統領は、イランに対する軍事作戦を巡り、欧州各国が非協力的なことに不満を示し、NATO脱退までちらつかせた。米国をもはや予測不能な「Rogue State」(ならず者国家)と呼ぶ日本の外交官もいる。 欧州各国は、これまでのように米国を頼った安全保障は成り立たないと考えているという。アジアを含めて国際社会の安定を図るには、日韓両国との協力が不可欠だとみているようだ。 日本にとっても軍事分野で高い開発・生産能力を持つNATOとの連携は、抑止力を高めることにつながる。 日本は多国間協調の枠組みとの協力を深め、紛争防止に努めなければならない。自由貿易や法の支配といった秩序の回復に努めることが大切だ。 茂木敏充外相はNATO大使らとの会談で、「欧州・大西洋とインド・太平洋の安全保障は不可分だ」と


時の焦点<海外> 米国の戦争
チャーチル不在の悲劇 まるでジャズの即興演奏のように、先が読めないトランプ米大統領の言動。イランとの停戦の行方もなお霧の中だ。 トランプ氏の頭にあるのは、政治日程だろう。5月の米中首脳会談、7月の建国250年、11月の中間選挙。直近には4月27日のチャールズ英国王の国賓訪問が控えている。英国王とのツーショットは「私たちに国王はいらない」デモへのあてこすりとなる、トランプ氏の晴れ舞台だ。 米英両国は第2次大戦後、長く「特別な関係」と呼ばれてきた。「血は海水より濃い」と語り、ルーズベルト米大統領との友情を育んだチャーチル英首相が源流だ。 人種・言語・文化を同じくするアングロサクソン同盟は、戦後世界の自由と秩序の支柱となってきた。ジョン・ミーチャム元ニューズウィーク誌編集長は、著書「フランクリンとウィンストン」で「米国の大統領と英国の首相がキャンプデービッドの森を散策し、大西洋を挟んで電話で話す時、2人はルーズベルトとチャーチルのスタイルと影の中でそうしているのだ」と指摘する。 その米英関係はいま、大きな岐路にある。 軍事経済両面で米英の格差が拡大し、


時の焦点<国内> 即応体制の強化
抑止力の確立を急げ 周辺国の軍拡が進む中で国民の命と暮らしを守り抜くためにはミサイルによる迎撃に加え、相手の拠点を無力化する反撃能力を備える必要がある。自衛隊が有事に即応できるよう体制の整備を急がねばならない。 陸上自衛隊が、敵の射程範囲外から攻撃できる国産の「スタンド・オフ・ミサイル」を、熊本県の健軍駐屯地と静岡県の富士駐屯地に配備した。 熊本には、「12式地対艦誘導弾能力向上型」から名称変更された「25式地対艦誘導弾」が配備された。 射程は1000キロメートルを超え、中国沿岸部や北朝鮮にも到達するとみられる。この誘導弾の配備により、日本を狙って弾道ミサイルなどが発射された場合、その拠点を叩くことが可能になる。 一方、静岡に配備した「25式高速滑空弾」は、迎撃されにくい高高度を超音速で飛ぶ点が特徴だ。射程は数百キロメートルだという。主に離島防衛に活用する方針だ。 今回の配備により、自衛隊は初めて反撃能力を持つことになった。ミサイルを発射する敵基地を、直接破壊することが可能になる。 ミサイルは今後、北海道や宮崎県の陸自駐屯地にも配備される。海自の


時の焦点<海外> 対イラン攻撃
曖昧さを心理的武器に イランの最高指導者ハメネイ師の殺害で、同師と他の指導者との秘密会合の日時、場所をピンポイントで突き止めた功をめぐって、米、イスラエルの両説がある。どちらにせよ、米中央情報局(CIA)・米軍・イスラエル対外諜報機関モサド・イスラエル軍のチームワークは、イラン現体制を大混乱に陥れた。 実際、米紙「ウォールストリート・ジャーナル」(3月18日)によると、モサド工作員はイラン警察高官に高飛車な物言いをしている。同紙が調べた両者の会話(ペルシャ語)の内容。 モサド「聞こえるか?あなたのことは何でも知っている。我々のブラックリストに載っているのだ」 イラン高官「分かった」 モサド「警告しておく。あなたは国民の側に立つべきだ。そうでないと、指導者と同じ運命になるぞ」 同高官「コーランにかけて誓う。私はあなたの敵ではない。我々を助けに来てくれ」 まだ存命の一部指導者の心理状態を想像すると――。仲間が日ごとに消えていく。モサドが2024年にレバノンのシーア派武装組織ヒズボラに仕掛けた数千個のポケベル爆発作戦で、戦闘員約40人が死亡、3000人


時の焦点<国内> 日仏首脳会談
秩序回復へ欧州と連携を 国際秩序を主導してきた米国が「法の支配」を軽視するようになり、世界は、「力の支配」が横行する弱肉強食の時代に変わりつつある。 危機時に米国の軍事力を頼れないとなれば、ミドルパワーの国や新興国は自衛のための軍拡を急ぎ、核への依存を高める可能性もある。人道危機への関心も薄れ、貧困が広がりかねない。 日本は、自由貿易などの秩序の受益者の立場にとどまっていてはならない。国際秩序の立て直しに向けて、積極的に役割を果たすべきだ。 フランスのマクロン大統領が来日し、高市早苗首相と会談した。両首脳は、米国とイスラエルによるイラン攻撃がきっかけで高騰した原油などの安定供給や、ホルムズ海峡の航行の安全確保などの重要性を確認した。 フランスは今年、先進7カ国(G7)の議長国を務めている。マクロン氏の来日は、6月のG7首脳会議を前に、中東やウクライナ情勢に関する意見をすり合わせておく狙いがあったのだろう。 米国のトランプ大統領は国民向けの記者会見で、イランへの軍事行動について、「終結は近い」と述べた。だが、具体的な時期は示さなかった。記者会見前の


時の焦点<海外> 米のイラン攻撃
「死に体」のNATO 「イランの軍事施設を破壊した」と強調するトランプ米大統領だが、破壊したのはそれだけではない。戦後の自由世界を支えてきた北大西洋条約機構(NATO)もまたトランプ氏によって破壊され、いまや「死に体」の感すらある。 根回しもなく始めたイラン攻撃に非協力的なNATOにいら立つトランプ氏は、米国抜きのNATOは「張り子の虎」だ、と皮肉った。「張り子の虎」とは、トランプ氏がロシアやイランに対して使ってきた侮蔑の言葉だ。 侮蔑といえば、アフガニスタンにともに派兵したNATO同盟国を「彼らは前方から少し離れたところにいた」と揶揄(やゆ)する発言もあった。現実にはアフガンで英国は457人、フランスは90人以上、ドイツも59人の戦死者を出している。 米国に加担を迫るトランプ氏に対し、同盟国としての犠牲をこけにされた欧州側が「これは我々の戦争ではない」(メルツ独首相)と一線を引くのは当然だろう。 イラン情勢で小休止となった感のあるグリーンランド領有問題でも、デンマークが米国の軍事侵攻に備えて自ら滑走路爆破を計画していたと報じられるなど、NATO


時の焦点<国内> G7外相会合
役割は依然重い 戦後の国際秩序を主導してきた主要7カ国(G7)の姿は変わりつつある。米国は国際法違反の可能性が高いイラン攻撃に踏み切り、フランスは核軍縮に取り組む義務を放棄するかのような戦略を打ち出した。 世界の6割を占めていたG7全体の国内総生産(GDP)は4割にまで減った。とはいえ、G7が国際平和に負う役割は依然として重い。 アジア唯一のメンバーである日本には、G7の場を通じて法の支配の重要性を訴えつつ、国際世論にも賛同を広げていく役割が求められている。G7の外相会合が議長国のフランスで開かれた。イラン情勢に関する共同声明では、民間人や民間施設に対する「攻撃の即時停止」を求めた。 また、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡について、航行の自由を恒久的に回復する必要性を確認した。イランは石油の重要な輸送ルートであるホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾岸の国のエネルギー関連施設も攻撃した。 原油価格を高騰させて米国に攻撃をやめさせる狙いがあるのだろうが、世界経済を混乱させるだけの行為だ。イランの攻撃を受ける湾岸諸国の国々からは、イランの行動に理解を


時の焦点<国内> 日米首脳会談
停戦実現へ役割果たせ 中東の戦火はいつ収まるのか。日本は米国に何を言うのか。世界中が注目する中で行われた日米首脳会談において、両首脳はひとまずイラン情勢の安定に協調して取り組むことで一致した。国際法を軽視するトランプ米大統領との難しい会談を、高市早苗首相は無難にこなしたと言えるのではないか。 紛争の収束に向けたハードルは依然高い。日本は、停戦の実現に向けて米国と意思疎通を続けねばならない。平和の回復へ国際世論を喚起していくことも重要だ。 日米首脳会談がワシントンで約1時間半行われた。その後の夕食会も含め、計3時間、両首脳は中東情勢や対中国政策、日米同盟などについて協議した。 首相は会談の冒頭で、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と述べ、トランプ氏をファーストネームで呼んだ。「諸外国に働きかけてしっかりと応援したい」とも語った。 首相としては、トランプ氏に寄り添う姿勢を示しつつ、停戦に関心が向くようにする狙いがあったようだ。これに対しトランプ氏は、「日本は責任を果たそうとしている。NATO(北大西洋条約機構)とは違う」と述べ、ホル


時の焦点<海外> 米とイラン戦争
3つの「地政学的勝利」 トランプ米大統領は3月11日、ケンタッキー州ヘブロンにおいて開かれた集会で、イランとの戦争に「我々は勝利した」と宣言した。 ホワイトハウスも同日、戦果の情報を更新し、▽イランの弾道ミサイルによる攻撃は90%減少▽5500以上の標的を除去▽制空権も確保▽イラン艦船60隻以上を沈没か破壊▽革命防衛隊海軍のソレイマニ級軍艦全4隻を破壊――と発表。 2月28日に開始した攻撃は最初の1週間で中東の再編だけでなく、世界のバランス・オブ・パワーを作り変えつつある。いわば「3つの地政学的勝利」である。第一には、イラン政権首脳部の殺害=トランプ米大統領は3月3日、米・イスラエル両国軍の攻撃で、イランの最高指導者ハメネイ師ら49人の指導者が死亡したと発表した。49人だけではない。ナシルザデ国防相、パクプール革命防衛隊総司令官、ムサビ総参謀長らも殺害された。 マドゥロ大統領拘束後のベネズエラ情勢で明らかなとおり、多数の政権主要幹部を消し去っても即座に新たな形での政府の誕生は保証されないが、イランの激震は事実だ。 イランは米国やイスラエルを標的に


時の焦点<国内> 国家情報会議
新たな司令塔の創設 政府が、インテリジェンス(情報収集、分析)の司令塔を創設する法案を閣議決定した。首相を議長に、官房長官や外相、防衛相ら9閣僚で構成する「国家情報会議」を内閣に設置し、情報収集の基本方針などを定める。 内閣官房の情報部門である内閣情報調査室(内調)を国家情報局に改組し、会議の事務局とする。国家情報局には総合調整の権限を与え、外務省や警察庁など各省庁の情報部門から必要な情報提供を受けることができるようにする。 国家情報局で分析された情報は、外交・安保政策を立案する国家安全保障会議(NSC)に提供される。 新たな組織の設置には、情報と政策の機能を分離し、政策判断の客観的な判断材料を求めようとする狙いがある。 ただ、情報の集約は今もNSCで行われ、それは今後も続くという。国家情報会議とNSCは同格となり、双方が重要情報を扱うことになる。情報が錯綜(さくそう)しないよう、各組織の役割を精査することが求められる。 留意すべきは、今回の法案が国家情報会議という「ハコ」作りに限られる点だ。現在の内調は、情報収集衛星を運用する部門を除けば300


時の焦点<海外> 米中G2
勢力圏分割の危うさ 米国とイスラエルのイラン攻撃が世界を混乱に陥れている中、王毅・中国外相兼共産党政治局員は3月8日の記者会見で「世界は100年に一度の変動にある」と述べ、国際秩序の劇的変化を強調してみせた。米中両国が、新たな時代の主軸となることへの自信をのぞかせながら。 3月末から予定されていたトランプ米大統領の訪中を踏まえた発言だ。中東情勢で米側が一カ月延期を申し出たが、トランプ氏と習近平・中国国家主席の間ではこれを含め年内に4回もの首脳会談が見込まれている。トランプ氏が昨年10月、韓国・釜山の米中首脳会談で「米中G2」と呼んだ関係が本格的に動き出せば、イラン攻撃と併せて今年はまさに歴史の分水嶺(れい)の年となろう。 トランプ政権で対中戦略の中核を担うのはコルビー戦争次官である。対ソ封じ込めを主導したジョージ・ケナンになぞらえ、21世紀のケナンとも呼ばれる若手だ。そのコルビー氏は著書で、中国封じ込めを大前提に、重要なのは「中国への優越ではなく中国とのバランス」と主張している。経済的相互依存の進んだグローバル時代にあって、米中両国が互いの勢力均


時の焦点<国内> イラン情勢と日本
中東の安定に貢献せよ 米国は日本にとって唯一の同盟国であり、良好な関係を維持することは重要だ。とはいえ、今回の米国のイランに対する攻撃は、国際法を逸脱している可能性は否定できない。日本は米国、イラン双方に事態の沈静化を求める必要がある。国連の場を積極的に活用するなど、外交努力を尽くすべきだ。 トランプ米大統領は、イランに対する軍事作戦が4週間以上続くとの見通しを示している。イランも反撃を続けており、戦火は中東全域に広がりつつある。報復の連鎖を懸念せざるを得ない。 こうした中、日本は米国を支持も批判もできない難しい立場にある。高市早苗首相は国会答弁で「イランによる核兵器開発は決して許されない。交渉を含む外交的解決を強く求める」と述べた。ただ、米国の軍事行動への論評は避けた。 米国は今回、国連安全保障理事会の決議なしに攻撃に踏み切った。トランプ氏は「差し迫った脅威」があったとしているが、その根拠は不十分との見方が多い。 国際法に基づかない武力の行使が許されれば、世界各地で力による衝突が繰り広げられてしまう。日本の領土・領海が力ずくで奪われる危険性も高


時の焦点<海外> 米、イラン攻撃
核兵器排除など4目標 2026年2月28日、米国とイスラエルは対イラン攻撃を開始した。イスラム専政の指導部を壊滅状態にし、ペルシャ(イランの旧称)国民に自由へのチャンスを与えた日になる。 1979年のイスラム革命で、親西側のパーレビ政権は崩壊。革命政権は同年11月4日に在テヘラン米大使館員52人を人質にし、レーガン政権発足まで444日間、拘束した。以来、約50年間、イランは米国など西側を標的に世界各地でテロを続け、米軍要員869人を殺害した。 米国はついに反撃に出た形で、「イランとの戦争を始めたのは米国ではないが、米国はそれを終わらせる」(ヘグセス国防長官)ということだ。 同長官とケイン統合参謀本部議長が3月2日の記者会見で、今戦争の4つの目標を明らかにした。(1)核兵器を製造する可能性の完全排除(2)米、欧州、湾岸同盟国に到達し得る弾道ミサイル製造能力の除去(3)海洋上の脅威と国民への暴力の排除(4)中東の同盟国および世界に展開する米国軍民要員への脅威の除去――。 ヘグセス長官は、政治体制の変更はイラン国民の役割だと言明。米国は4つの目標を達成


時の焦点<海外> 米一般教書
ドンロー主義の正体 史上最長の1時間48分に及んだトランプ米大統領の一般教書演説(日本時間2月25日)だったが、11月の中間選挙を意識してか経済や治安、国境管理などに大半が割かれ、国際情勢に触れたのは開始から実に1時間以上たってからだ。 それもベネズエラのマドゥロ前大統領拘束作戦の成功や、北大西洋条約機構(NATO)に国防費の国内総生産(GDP)比5%支出をのませた話など、既視感のある自画自賛ばかり。「どの国も世界一の軍事力を持つ我々の決意を疑ってはならない」と凄んだ「力による平和」が、あえて言えば国際社会への唯一のメッセージだった。 各国が耳をそばだてていたのは、昨年12月の国家安全保障戦略(NSS)や今年1月の国家防衛戦略(NDS)の中核を占める本土・西半球中心主義と対中抑止・同盟国の負担強化などに、トランプ大統領がどう踏み込むのかだった。その意味では肩透かしだったわけだが、見方を変えればいわゆる「ドンロー主義」なるものの正体が、はからずも見えてきた演説だったとも言える。 建国後の米外交の基調となってきたモンロー主義は19世紀初頭、第5代モン


時の焦点<国内> 竹島の日
韓国への働きかけ続けよ 首脳同士が頻繁に往来し、防衛分野での協力も緒に就くなど、日韓関係は改善基調にある。その一方で領土問題が前進する気配は見えない。重要な隣国であるからこそ、政府は竹島が日本固有の領土であることを、粘り強く韓国に伝えていく必要がある。 2月22日、島根県などが主催する「竹島の日」の記念式典が松江市で開かれた。内閣府の古川直季政務官が出席し、竹島問題の解決を目指す政府の方針を改めて示した。 式典は島根県が1905年に県が竹島を編入した日にちなんで開催されてきた。今回で21回を数える。竹島が、国際法上も歴史的にも日本固有の領土であることは論を待たない。韓国は日本が竹島を編入する際、異議を唱えなかった。戦後のサンフランシスコ平和条約でも、日本が放棄すべき地域から除かれている。 だが、条約の発効直前、韓国は「李承晩ライン」を一方的に設定し、竹島の不法占拠を開始した。竹島が領土であるとの韓国の主張には、正当性はない。 日本は江戸時代初期には竹島の領有権を確立していた。証拠となる資料も数多い。2年前には、鳥取県米子市の複数の商家が幕府の許可
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