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時の焦点


時の焦点<海外> 米、イラン攻撃
核兵器排除など4目標 2026年2月28日、米国とイスラエルは対イラン攻撃を開始した。イスラム専政の指導部を壊滅状態にし、ペルシャ(イランの旧称)国民に自由へのチャンスを与えた日になる。 1979年のイスラム革命で、親西側のパーレビ政権は崩壊。革命政権は同年11月4日に在テヘラン米大使館員52人を人質にし、レーガン政権発足まで444日間、拘束した。以来、約50年間、イランは米国など西側を標的に世界各地でテロを続け、米軍要員869人を殺害した。 米国はついに反撃に出た形で、「イランとの戦争を始めたのは米国ではないが、米国はそれを終わらせる」(ヘグセス国防長官)ということだ。 同長官とケイン統合参謀本部議長が3月2日の記者会見で、今戦争の4つの目標を明らかにした。(1)核兵器を製造する可能性の完全排除(2)米、欧州、湾岸同盟国に到達し得る弾道ミサイル製造能力の除去(3)海洋上の脅威と国民への暴力の排除(4)中東の同盟国および世界に展開する米国軍民要員への脅威の除去――。 ヘグセス長官は、政治体制の変更はイラン国民の役割だと言明。米国は4つの目標を達成


時の焦点<海外> 米一般教書
ドンロー主義の正体 史上最長の1時間48分に及んだトランプ米大統領の一般教書演説(日本時間2月25日)だったが、11月の中間選挙を意識してか経済や治安、国境管理などに大半が割かれ、国際情勢に触れたのは開始から実に1時間以上たってからだ。 それもベネズエラのマドゥロ前大統領拘束作戦の成功や、北大西洋条約機構(NATO)に国防費の国内総生産(GDP)比5%支出をのませた話など、既視感のある自画自賛ばかり。「どの国も世界一の軍事力を持つ我々の決意を疑ってはならない」と凄んだ「力による平和」が、あえて言えば国際社会への唯一のメッセージだった。 各国が耳をそばだてていたのは、昨年12月の国家安全保障戦略(NSS)や今年1月の国家防衛戦略(NDS)の中核を占める本土・西半球中心主義と対中抑止・同盟国の負担強化などに、トランプ大統領がどう踏み込むのかだった。その意味では肩透かしだったわけだが、見方を変えればいわゆる「ドンロー主義」なるものの正体が、はからずも見えてきた演説だったとも言える。 建国後の米外交の基調となってきたモンロー主義は19世紀初頭、第5代モン


時の焦点<国内> 竹島の日
韓国への働きかけ続けよ 首脳同士が頻繁に往来し、防衛分野での協力も緒に就くなど、日韓関係は改善基調にある。その一方で領土問題が前進する気配は見えない。重要な隣国であるからこそ、政府は竹島が日本固有の領土であることを、粘り強く韓国に伝えていく必要がある。 2月22日、島根県などが主催する「竹島の日」の記念式典が松江市で開かれた。内閣府の古川直季政務官が出席し、竹島問題の解決を目指す政府の方針を改めて示した。 式典は島根県が1905年に県が竹島を編入した日にちなんで開催されてきた。今回で21回を数える。竹島が、国際法上も歴史的にも日本固有の領土であることは論を待たない。韓国は日本が竹島を編入する際、異議を唱えなかった。戦後のサンフランシスコ平和条約でも、日本が放棄すべき地域から除かれている。 だが、条約の発効直前、韓国は「李承晩ライン」を一方的に設定し、竹島の不法占拠を開始した。竹島が領土であるとの韓国の主張には、正当性はない。 日本は江戸時代初期には竹島の領有権を確立していた。証拠となる資料も数多い。2年前には、鳥取県米子市の複数の商家が幕府の許可


時の焦点<海外> 苦境のキューバ
「同盟国」はどこへ? 支援が必要なこの時に同盟諸国はどこへ行ったのか? 現在、キューバ政府の胸中はこんな感じだろう。同国に石油を供給しようとする国には関税を発動する(1月29日・トランプ米大統領が大統領令に署名)という圧力など、トランプ政権の対キューバ政策が狙い通りに効いてきたのだ。 同国の石油不足は深刻で、インフラの崩壊も進む。学校の授業も病院の手術もキャンセル。ホテルも閉鎖され、国際ビジネスや大使館は人々に早期出国か電気と水のない生活が長期間続く事態に備えるよう警告している。 しかし、出国についてはそう容易ではないのが現状のようだ。政府は飛行家に対して、国内9カ所の飛行場で航空機の燃料補給はできない旨を公式に通告。その結果、主要航空会社のフライト削減やキャンセルに発展し、旅行客が取り残されるなどの混乱が起きている。 例えば、カナダの航空最大手エア・カナダは2月9日からキューバ便の運航を停止する一方、キューバで立ち往生のカナダ人約3000人の出国のために“カラの便”を飛ばす。また、スペイン第3の航空会社エア・ヨーロッパは、マドリード―ハバナ便の


時の焦点<国内> ミュンヘン会議
米欧の溝埋める役割を果たせ 自国第一を掲げるトランプ米政権と欧州との距離が広がり、ウクライナを巡る和平交渉の行方も不透明な状況だ。日本は米欧との関係を強化し、双方の溝を埋める努力を続けねばならない。多国間の協力体制の構築にも努める必要がある。 ドイツで、世界各国の首脳や外相、国防相らが参加する「ミュンヘン安全保障会議」が開かれた。主要なテーマとなったのは、ロシアのウクライナ侵略である。 ウクライナと米国、ロシアは現在、和平交渉を行っている。安保会議に出席したゼレンスキー大統領は「米国は譲歩をロシアではなく、ウクライナの文脈で語ることが多すぎる」と述べ、和平交渉で譲歩を促す米国へのいらだちを示した。 米国はウクライナに対し、東部ドンバス地方を非武装化するよう求めている。ドンバス地方を「自由経済圏」とする構想も浮上しているが、ウクライナとロシアのどちらの法制度に基づく経済圏なのかは、定かではない。このためウクライナは、領土や主権が脅かされるのではないか、と警戒している。 侵略した側のロシアに「戦果」を与えるようなことがあってはならない。国際社会全体で


時の焦点<海外> 力による秩序
ルールなき核の時代 「強者はしたいことをして、弱者はそれを耐え忍ぶ」。1月20日、スイスのダボス会議で演説したカナダのカーニー首相は、古代ギリシャの歴史家トゥキディデスの言葉を紹介した上で、大国同士の競争でルールに基づく秩序が衰え、世界がトゥキディデスの時代に逆戻りしてしまうことに強い懸念を示した。 カーニー首相は2013年から約7年、外国人で初めてイングランド銀行総裁を務めたほどの頭脳と知性を備えた人物である。その品格によって抑制されたトーンではあったものの、演説はトランプ米大統領の「力による秩序」に対する、主要同盟国首脳からの事実上の拒否宣言だった。 トランプ大統領は年明け、米紙のインタビューで「私に国際法は必要ない」「私を止められるのは私のモラルだけだ」と語っている。耳を疑う、とはこのことだろう。早い話が、トランプ大統領のやっていることは、世界中を相手にした国家的パワハラに等しい。 世間でいうパワハラの要件とは(1)優越的な関係を背景に(2)社会通念上必要な範囲を超えて(3)労働者の就業環境を害すること、の3つだ。(1)は外交上の力関係、(


時の焦点<国内> 高市政権再始動
大勝で「1強多弱」へ 衆院選は自民党が衆院の3分の2を超す316議席を獲得した。単独政党として戦後最多の獲得議席数となる歴史的大勝利である。日本維新の会と合わせた与党では計352議席となった。一方の野党は、数十人単位の少数政党が並んだ。日本政治は、経験したことのない「1強多弱」の時代を迎えた。 高市早苗首相は、投開票から一夜明けた2月9日の記者会見で、「政策転換を何としてもやり抜いていけ、と背中を押していただいた」と述べた。衆院の解散がなければ、2028年の参院選まで国政選挙がない。 今回の衆院選で強固な基盤を整えた首相は国家情報局の創設や、旧姓の通称使用を拡大するための法制化など、国論を二分するような政策にも着手すると見られる。ただ、野党が大きく退潮する中、仮に政権が判断を誤れば、取り返しの付かない事態を招きかねない。首相や自民党は、自律的な政権運営を心がける必要がある。 昨年の参院選以降、衆参両院では少数与党の状態が続いていた。与党は予算成立への協力を得るためとして、野党の要求を受け入れてきた。 与党は今回、衆院で「3分の2」以上の議席を確保


時の焦点<海外> 欧州が求愛
中国を当てにできるか トランプ米政権は欧州の自己防衛努力、貿易、関税問題などでは甘言を弄(ろう)しない。その率直さにすっかり気力を失った欧州とカナダは、これにどう対応したか。数カ国の首脳が次々と“北京詣で”である。 中国は覇権国として米国に取って代わりつつあるのか。カナダや英国が中国にすり寄り、他の欧州諸国が引き続き取り入っていく様子は興味深い。 「ニューヨーク・タイムズ」の記事(1月31日)はコンパクトで上手い。 「事前の予測はこうだった。これら諸国は結局、対米防護策を取るために中国との関係緊密化を求める。彼らはその際は中国の利益に一層好意的だろう」 「予測は当たった。欧州とカナダの指導者は世界第2位の経済大国との関係を深めようと、列をなして中国に着いた。中国政府が人権問題、スパイ行為、他国の選挙への干渉、貿易不均衡など、かつて双方の関係を裂いていた問題のほとんどを認めなかったのに」 「今やすべての道は中国に通ず」というのが、1月30日の米CNBCテレビのトーン。 「1月だけでも、スターマー英、カーニー・カナダ両首相ら少なくとも5人の国家指導者


時の焦点<国内> 衆院選自民圧勝
1強を生かし難局に挑め 第51回衆院選で、自民党が圧勝した。獲得した316議席は、戦後の政党が単独で確保した議席数としては最大だ。日本の政治史に刻まれる地滑り的な勝利と言える。 来年は統一地方選が行われるが、2028年の参院選までは、衆院を解散しない限り、大型の国政選挙は行われない。他方、少子高齢化への対応や、平和と秩序を取り戻すための外交、安全保障環境の悪化を踏まえた防衛力の強化など、課題は山積している。 「1強」ともいえる体制を整えた高市早苗首相は、中長期的な視点に立ち、腰を据えて難題に取り組む必要がある。首相は選挙戦を通じ、「国論を二分する政策を進めたい」と述べ、保守的な政策の実現に意欲を示してきた。 具体的には、インテリジェンス(情報収集、分析)機能の強化に向けた国家情報局の創設や、スパイ防止法の整備、旧姓使用の法制化などが念頭にあるようだ。 国家情報局の構想は、現在の内閣情報調査室を、警察庁や外務省、防衛省などによる省庁横断の組織に改編するものだ。日本でも、外国勢力がSNSなどを使って偽情報を流布する事態が起きている。こうした偽情報対策


時の焦点<国内> 名護市長3選
基地移設を着実に進めよ 沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を推進する自民党などの支援を受けた現職の渡具知(とぐち)武豊氏が3選を果たした。移設反対を掲げた次点の前市議に、2倍近い差をつけた。 渡具知氏は移設受け入れの是非には言及せず、保育料や給食費、子どもの医療費の無償化などの実績を強調した。いずれも国からの米軍再編交付金を財源に、実現してきた。渡具知氏の圧勝は、移設問題で国との対立を再燃させるより、身近な地域課題の解決を優先するべきだと市民が判断した結果ではないか。 移設作業は新たな段階に入っている。防衛省は、約152ヘクタールに上る埋め立て海域全体のうち、4分の1にあたる南側をほぼ埋め立てた。辺野古東側の軟弱地盤の改良工事を巡る国と県との法廷闘争はこれまでにすべて決着し、昨年末からは土砂の投入が始まった。 ただ、2024年から始まった地盤の改良工事は、気象や海洋の影響で思うように進まない。計画では約7万1000本のくいを打ち込む予定だが、進捗(しんちょく)率は4%程度にとどまる。30年代初めと見られていた埋


時の焦点<海外> 西洋と東洋
アジアは一つなり ニューヨーク・マンハッタンから198キロのロングアイランドの最北端モントークから見える大西洋は限りなく広大で壮観である。この対岸にマサチューセッツ州ボストンがある。 ボストン美術館中国・日本美術部長を務めた岡倉天心もまたこの広大な海を見ていただろう。同時に茨城県五浦の日本美術院の眼下に限りなく広がる荒波の太平洋の壮大さも天心の「アジアは一つなり」の思想を育んだに違いない。 美術家にして偉大な思想家でもある岡倉天心は、アメリカの哲学者アーノルド・フェノロサと共に日本の美術発掘に努めた。さらに中国美術視察やインドの美術品収集のために訪れたインドでは、詩人タゴールとも思想的交流を深めた。 天心は、鹿鳴館外交など行き過ぎた西洋文化至上主義に警鐘を鳴らし、東洋の思想、文化、美術こそが人間の精神の奥深さを示すものとして英文著作三部作『茶の本』『日本の覚醒』『東洋の思想』を著し、日本文化を世界に発信した。 同時代にやはり英文著作として世界的評価を得た内村鑑三の『代表的日本人』と新渡戸稲造の『武士道』もあったが、西洋文明に圧倒されている時代に、


時の焦点<海外> トランプ政権
「イラク症候群」の終焉 米軍のマドゥロ・ベネズエラ大統領拘束で、明確になった点が一つある。過去20年以上も米外交をゆがめてきた考え方「イラク・シンドローム(症候群)」は終わったということだ。 イラク戦争の失敗とその後の長期にわたる大きな損失を出した占領の結果、同症候群は出現した。端的に言うと、海外で軍事力を行使すれば泥沼にはまるのは必然という心理である。 ベトナム戦争当時を想起するとよく分かる。同戦争後、米外交方針は混乱。そして、敗北の理由は戦略の誤りではなく、そもそも戦うべきではなかったのだという論理が主流になる。 これが、米国は世界における役割を根本的に考え直すべきだとの主張に発展した。いわゆる「ベトナム症候群」の世界観で、米国は積極的な外交政策を取らずに、むしろ抑制か撤退すべしとする姿勢だった。 しかし、米のリーダーシップ不在に伴い、世界はとてつもない代償を払った。カンボジアでの大虐殺、ソ連軍のアフガニスタン侵攻、イランのイスラム政権誕生などだ。 1981年にレーガン政権が発足し、83年のグレナダ侵攻で同国に民主主義を復活させた。後継のブッ


時の焦点<国内> 衆院選公示
難局打開へ具体策を競え 国際情勢が激動する中、日本の針路を問われる衆院選が公示された。初の女性宰相を擁する自民党と日本維新の会の連立が、政権基盤を安定させられるのか。あるいは「中道」を掲げる新党が政局の主導権を握ることになるのか。力をつけつつある新興政党も無視できない。 民意が多様化し、多党化時代を迎えている。しかも与野党共に基本的に選挙協力を行っていない。このため衆院選の帰趨(きすう)は見通しにくい。有権者の選択はこれまで以上に重みを増していよう。 高市早苗首相は今回の衆院選について、自らが首相を続投して良いのか、それとも中道改革連合の野田共同代表らに代わるべきかを国民に問う機会と位置付けた。 高市内閣は高い支持率を維持しているが、自民の政党支持率はそれほど伸びていない。今回、首相が「首相選択選挙」の構図を強調しているのは、自らへの支持を自民の得票に結びつける狙いがあるのだろう。 中道改革は、高市政権の発足で日本が右傾化しつつある、と主張し、「右派か中道か」の選択という構図に持ち込もうとしている。党の綱領では「生命・生活・生存を最大に尊重する人


時の焦点<海外> 中央アジア
カスピ海ルートと一帯一路 昨年12月18~20日、中央アジア5カ国の首脳が来日し、初の日・中央アジア首脳会議が開催された。輸送路整備、気候変動対策、人的交流促進を重点協力分野とする「東京宣言」が採択された。 サプライチェーン(供給網)の強靱化を目指し、中央アジアからロシアを経ずに欧州を結ぶ輸送路「カスピ海ルート」の整備で日本が支援することになった。 しかし、すでに先行し南米にまで「一帯一路」を拡大し、急成長している「中欧班列」との関係に触れておらず、国際物流の要である中欧班列との調整がなければ「カスピ海ルート」の整備実現は困難なのではないか。 「中欧班列(China Railway Express)」とは、アジアと欧州間の国際定期貨物列車のことだ。中国の巨大港湾から陸揚げされたコンテナが、毛細血管のように張り巡らされた中国の鉄道網で天山山脈の北と南の回廊ルートを経て、中央アジアからカスピ海、黒海を通る。そしてイスタンブール、ミラノ、マドリード、デュッセルドルフ、ハンブルクなど欧州主要都市を横断する鉄道「ユーラシア・ランドブリッジ」の巨大なサプライ


時の焦点<国内> 日韓首脳会談
安保協力の進展に期待 韓国の李在明(イジェミョン)大統領が来日し、高市早苗首相の地元・奈良で日韓首脳会談が行われた。会談は日韓首脳が形式にとらわれず、両国を行き来する「シャトル外交」の一環。昨年8月に李氏が東京を、9月に石破茂前首相が釜山を、それぞれ訪問した。奈良での会談は、韓国側が提案したという。首脳間の個人的な信頼関係を築く狙いがあるとみられる。 今回の会談では、未来志向の日韓関係を目指すことをあらためて確認したほか、レアアース(希土類)など重要物資のサプライチェーン(供給網)に関する協力について意見を交わした。 台湾有事を巡る首相の国会答弁に反発している中国は、日本へのレアアースの輸出規制に踏み切った。 日本は韓国とも協力し、中国に依存せずに重要物資を確保できる多様な枠組みを広げようとしている。 日本を貶(おとし)めるため、中国は執拗に宣伝戦を繰り返している。中国の習近平国家主席は、訪日直前の李氏を急きょ国賓として招き、北京で首脳会談を行った。韓国と共闘することで、日本を孤立させる狙いが透けて見える。 実際、中国側は会談終了後に、習氏が「中
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