海鷲の翼 F2戦闘機 進化するマルチロール機 小峯 隆生著、柿谷 哲也撮影
- 2 日前
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「平成の零戦」と称されるF2戦闘機の完成までの道のりは平坦ではなかった。国産ゆえの技術課題や不具合が相次ぎ、実戦に使える機体へと育て上げたのは現場だった。
3飛行隊(百里)の歴代隊長をはじめ、パイロットや整備員の証言を積み重ね、同機がマルチロール機へと成長していく過程を追う。浮かび上がるのは、機体の限界を確かめるため命懸けで飛び続けた隊員たちの姿だ。前例のない課題に直面しながらも、それを乗り越えようとする執念と誇りが、機体の性能を引き出してきた。
写真家・柿谷哲也氏の口絵は、空を守る者たちの緊張と矜持(きょうじ)を静かに映し出し、証言の重みを視覚的に訴える。
本書は技術書の枠を超えた人間の物語だ。F2の真価は諸元表には表れない、人々の情熱と覚悟にある。
次期戦闘機の開発が進む今、日本の航空戦力の現在地を知る上で貴重な証言集となるだろう。
(並木書房刊、1980円)












