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日米豪などが参加PSI訓練を開始大量破壊兵器の密輸阻止へ(2025年12月)

2025年12月5日更新

 日米豪韓と、ニュージーランド、シンガポールが12月2日から東京都内などで「大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)」に基づいた訓練を開始した。3日には海上自衛隊の護衛艦や哨戒機が、大量破壊兵器を積載したとみられる不審船を追跡、捜索する一連の流れを確認。同訓練は5日まで実施する見込み。

 今回の訓練「パシフィック・シールド25」は、日米豪韓などの6カ国が参加。オブザーバーとしてPSI加盟国のフランスや英国やドイツ、タイやベトナムなど18カ国のほか、未加盟国のラオス、ナウルも加わり、訓練などを見学した。

 海上阻止訓練では、不審船が大量破壊兵器を積載しているとの想定で行う。

 海自の護衛艦とP1哨戒機などが房総沖を航行する不審船を捜索し、追跡。追跡情報をもとに隊員らが艦艇から小型ボートで不審船に乗り移るところまで演練する。

 港湾でも実動訓練を行った。東京・港区のお台場周辺に大量破壊兵器が積み込まれたとみられるコンテナが陸揚げされているとの想定で、警察庁と税関、海上保安庁と合同でコンテナを調査した。

 訓練では、税関のX線車両や探知犬がコンテナを検査した後、警察庁のNBCテロ対応専門部隊が詳細に調査した。

 訓練の一環として、大量破壊兵器の拡散防止に関する机上訓練や、PSI、不拡散に関する知見を共有するアカデミックセッションも開かれた。

 PSIは2003年にブッシュ米大統領の提唱によって日本を含む11カ国で発足し、現在は世界116カ国が加盟している。日本での訓練は04年に初めて行われ、今回で5回目となる。

 

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