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空自生徒OBが10年ぶり同期会 世代超え500人が再会喜ぶ(2025年11月1日)

2025年11月27日更新


10年ぶり開催の空自生徒同期会には500人の卒業生らが集合し、再会を懐かしんだ(11月1日、ホテル椿山荘東京)

 航空自衛隊生徒OBらによる「第70周年合同同期会」が11月1日、ホテル椿山荘東京(文京区)で開かれた。10年ぶりとなる同期会には、教官のほか1期生徒から最終53期生徒までの約500人が集まり、久しぶりの再会を喜び合った。

 同期会は午後2時から始まり、会場には豪華な食事が並んだ。開会に当たり、碧(あおい)会(空自生徒制度で入隊した現役隊員とOBで構成する団体)会長で統幕学校長の佐藤網夫空将が登壇。40年以上の自衛隊勤務経験を振り返り、「生徒で培った負けじ魂、そして先輩後輩の結束を強く感じている」として、生徒出身者の無償の愛と結束の強さを強調した。

 直近10年間で亡くなった碧会会員に向け黙とうが捧げられた後、1期生の田貝安正生徒による乾杯の発声で、集まった生徒たちは学生時代を懐かしみながら、しばし歓談を楽しんだ。

 その後、各界で活躍するOBが紹介され、『北斗の拳』原作者・武論尊こと岡村善行生徒(9期)、すしチェーン「すしざんまい」を運営する木村清生徒(14期)、前統幕最先任の甲斐修生徒(30期)らがそれぞれあいさつした。会の終盤には、生徒たちが肩を組んで「生徒隊数え歌」を大合唱。10年後の再会を誓った。

 同期会に先立ち、同日午後0時半からは「碧会代表会議」が開かれ、約100人が出席。連絡体制の変更や会費、事業計画など今後について審議した。

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 「航空自衛隊生徒」制度は空自の通信、レーダー、整備などの分野で活躍できる技術空曹を養成するため、中学卒業生を対象として1955(昭和30)年に開始された自衛官の教育課程。約2400人の卒業生を輩出したが、人件費削減などの背景から2011(平成23)年3月をもって海上自衛隊生徒と共に廃止され、陸上自衛隊少年工科学校のみが「陸上自衛隊高等工科学校」と改編されて継続した。

 22(令和4)年12月閣議決定の安保3文書では、優秀な人材確保やサイバー領域など新たな分野を含む教育強化などを目的に、28(10)年度から陸自高等工科学校を陸海空共同・男女共学化することが明記された。いわゆる「空自生徒」が復活することとなる。課程の詳細は現在検討を進めている。

 高工校体制移行準備室で空自を担当している石岡聡3空佐(38期)は「一般高校の卒業生は入隊後、2士からのスタートとなるが、高工校卒業生は任官1年後に3曹となる。入校者には、部隊の即戦力・中核として活躍してくれることを期待する」と話している。(櫻井穗乃香)

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