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クマ対策で自衛隊派遣(2025年10月28日)

2025年11月6日更新


元陸上自衛官の鈴木県知事(左)が要望書を小泉大臣に手渡した(10月28日、防衛省)


クマ捕獲用の箱わなの設置方法などについて市職員や地元猟友会から説明を受ける秋田駐屯地の隊員(10月30日、秋田駐屯地)=陸自提供

 秋田県内でクマによる人身被害が相次いでいる中、鈴木健太知事が10月28日、防衛省を訪問し、小泉進次郎防衛相に自衛隊派遣を要望した。同日夕には陸上自衛隊東北方面総監部から連絡員が秋田県庁に派遣されたほか、30日には秋田駐屯地でクマ対処の訓練が実施された。自衛隊は11月5日から箱わなの運搬などの支援を行う。全国的にもクマによる被害が広がっており、政府も「関係閣僚会議」を立ち上げ、対策強化に乗り出した。

秋田県が要請、箱わなの運搬を支援

 「県としてこれまで努力してきたが、現場の疲弊もピークを迎え、県内のマンパワーでは対応ができない」――。鈴木知事は地元・秋田の悲痛な思いを小泉氏に訴えた。

 秋田県の今年のクマによる目撃件数は10月25日現在、8千件を超え、過去最多だった2023年度の3723件を大幅に上回るペース。人身被害も26日時点で54人にのぼり、うち2人が亡くなっている「危機的な事態」だ。

 鈴木氏は「元自衛官なので、何でも頼めるものではないと理解している。だが、防衛省・自衛隊の力を借りなければ国民の命が守れない」と支援を求めた。

 小泉氏は秋田県民の・・・

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