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内倉統幕長 リトアニアを初訪問 同国軍参謀長と会談(2025年10月2~3日)
2025年10月21日更新

約1カ月間の任務を終え、帰国した4人が第3級賞詞を受章した(8月25日、防衛省)=陸自提供
先の大戦で旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器の処理事業に従事していた陸上自衛隊の4人が帰国した。
4人は8月19日に防衛省で荒井陸幕長に出国を報告。約1カ月間、現場に埋没している砲弾などの化学兵器を発掘し、回収、鑑定したほか、化学・弾薬の専門的な知見の提供、技術支援も行った。
4人が中国のどの地域で活動し、具体的にどのような実績を上げたかについては明らかにされていない。
先の大戦時に遺棄された化学兵器は、半世紀以上前に製造された古い砲弾などが多く、すでに腐食や変形しているもの、中には一部が漏えいしているものがあるなど、爆発のリスクがあるため、作業は安全を最優先に実施された。
9月22日、中国から帰国した4人は防衛省で德永陸幕副長に帰国を報告。
陸幕によると懇談では「隊員から現地の気候を含む活動状況や学んだこと、今後に向けた教訓などが述べられ、副長からは4人にねぎらいの言葉がかけられた」という。
陸自では2015年3月に政府が閣議決定した「遺棄化学兵器問題に関する基本方針について」に基づき、省庁間協力の一環として内閣府の要望に応じて隊員の派遣を検討している。
陸幕は「今後も内閣府の要請に基づき、派遣の可否も含めて検討する」としている。