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オリエント・シールド25 豪陸軍、国内の実動訓練初参加(2025年9月16日~24日)
2025年9月22日更新
37普連の隊員が米豪軍と共に81ミリ迫撃砲を発射する(いずれも9月19日、新潟県上越市・妙高市の関山演習場)
豪陸軍が日本で初めて実動訓練に参加。写真は日米豪共同の観測所で日豪隊員が調整する場面
共同戦闘訓練で、現地訓練部隊の中隊長(中央左)を激励する荒井陸幕長(同右)
遠藤中方総監「共同作戦実施の連携要領を演練する貴重な機会」
オーストラリア陸軍が初めて日本国内で実動訓練に参加した。
9月16日から24日まで、新潟県上越市と妙高市にまたがる関山演習場をメインに行われている陸上自衛隊と米豪陸軍との実動訓練「オリエント・シールド25」(以下、OS)だ。
前回までは陸自と米陸軍共同の実動訓練だったが、昨年11月に豪州のダーウィンで行われた日米豪防衛相会談において「3カ国運用協力の拡大」が示され、共同声明文で豪がOSに2025年から参加することが明記された。
日本で行われる主要な日米演習を3カ国化することや、「ヤマサクラ」などの演習への豪軍の参加を推進することが改めて確認された。
ヤマサクラ演習(YS)は2023年から豪が加わり、日米豪共同指揮所演習となっている。
陸自は「例年12月に行われていたYSを、今年は8月に実施してOSと連接させる」とし、荒井陸幕長は9月4日の会見で「YSで演練した内容の一部について、OSにおいて実動を伴う形で訓練を行う」と述べている。
YS、OS共に今年の陸自の参加部隊は中部方面隊が主体で、YSは伊丹駐屯地を主に、OSは37普通科連隊(信太山)を基幹とする約1200人が参加。
迫撃砲を含む小火器の実弾射撃や共同衛生訓練などを実施している。
OSの訓練担任官である中部方面総監の遠藤充陸将は、YSとOSを連接させることについて「大変有意義だ」と述べ、「多くの職種部隊が参加することで、共同して作戦を実施する際の連携要領を演練する貴重な機会だ」と訓練開始式の訓示で強調した。
また同日、米側の訓練担任官・在日米陸軍司令官のジェームス・ドゥーガン准将は訓示で、OSは「インド太平洋地域の作戦要求に沿った耐久性・機動性・即応性の構築が目的だ」と語った。(寉見陽平)