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東北方特連3大隊に感謝状 ネクスコ東日本 北海道の高速道を移動中土砂崩れで安全確保(2025年6月3日)
2025年8月18日更新
感謝状贈呈式で記念撮影。(左から)小沼1曹、田中大隊長、堀支社長、古川2曹、石田3曹(6月3日、郡山駐屯地)
【東北方特連=郡山】訓練に向かう移動中、土砂崩れが発生した現場に遭遇――。東北方面特科連隊3大隊は6月3日、東日本高速道路(ネクスコ東日本)から、安全で円滑な交通の確保に貢献したとして、隊員の善行に対し感謝状が贈られた。
昨年8月31日、北海道の追分町ICから夕張ICの間で異状降雨による土砂崩れが発生。射撃訓練のために東千歳駐屯地から矢臼別演習場に向かう途中、6中隊の小沼健1曹、古川学2曹、石田斗亜3曹の3人が6中隊の先頭を中型車両で前進中、2車両前の民間車両の前方で土砂崩れが起きたのを確認した。
自身の車両と後続車両を停止させ、ネクスコと警察に携帯電話で通報。降雨が続き土砂崩れの2次被害の危険があったため、3人は連携し、危険区域内にあった全ての車両を誘導し、安全な場所まで避難させた。ネクスコの職員が現地に到着すると、状況を説明して現場を引き継いだ。
感謝状の贈呈式は郡山駐屯地で行われ、ネクスコ東日本の北海道支社長の堀圭一氏から3大隊長の田中佑2佐に感謝状が手渡された。
小沼1曹は「特別なことをしたわけではない。けがや事故がなくよかった」、古川2曹は「普段から危機管理を意識していたため、考えながら行動できた」、石田3曹は「自衛官として当然のことをやっただけ。被害を事前に防げてよかった」とそれぞれ述べた。