創刊70年を越える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です
防衛関連ニュース
小牧「救難教育隊」入校予定7人に密着 命を救う“覚悟の訓練”(2025年8月14日~15日)
2025年8月18日更新
急斜面の山道で滑り落ちながらも必死で立ち上がる。約40キロのザックを背負って行う訓練の厳しさを目の当たりにした(7月15日)
地図判読訓練で現在地を確認し、教官に説明する学生要員(7月14日)
「寝てんじゃねぇぞ~!救難員になって人生変えるんだろぉー!!」――。7月14、15の両日、愛知県の小牧基地に所属する「救難教育隊」の第63期救難員課程に入校予定の学生要員7人の訓練が奥入鹿(同県犬山市)の山中で行われた。「人命救助」という崇高な使命を果たすために、厳しい訓練を乗り越える7人の「覚悟」と、教官たちが受け継ぐ「救う使命」の厳しさを2日間にわたり体感した。(櫻井穂乃香)
「辞めるか? 帰るか?」 準備不足に自分の弱さ痛感
1日目14日午前8時、入鹿池そばの空き地に学生要員7人と教官8人が集まった。学生要員が臨むのは「地図判読訓練」。約40キロのザックを背負い、わずかな飲料と行動食のみの極限状態で地図とコンパスを頼りに山中の藪を進み、「不撓不屈(ふとうふくつ)の精神」を養う過酷な訓練だ。
「学生要員」とは正式な学生となる前段階の呼称で、この訓練を乗り越えて初めて入校が認められる。
取材に応じてくれたのは救難教育隊広報幹部の池田智博3佐。「(彼らは)今朝4時半に起き、ほとんど飲まず食わずの状態でこの訓練に臨んでいます」と説明する。その横で、教官の「テキパキ動け!」という声が響くなか、学生要員はザックを背負いスクワット。指揮官の中山洋人1尉の号令で訓練が始まった。
初日は・・・