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防衛白書 「自衛官募集につなげる」 田中室長が表紙の狙いを語る(2025年8月14日)
2025年8月14日更新
田中室長(後列左から3人目)以下、今年の防衛白書を制作した白書室のメンバー(7月30日、防衛省)
「戦略3文書策定後の3年目であり、防衛力の抜本的強化の進捗状況のほか、3月に新設した『統合作戦司令部』や喫緊の課題である『自衛官の処遇・勤務環境の改善』などを紹介している」――。
今年の『防衛白書』の制作を担当した「白書室」の田中正人室長は、年々厳しさを増す安全保障環境に伴い、白書に取り上げるべき内容も増えていく中で、より多くの人に気軽に手に取ってもらえるよう腐心した。
「防衛白書のページ数は年々増加傾向だが、手に取りやすく、分かりやすくするため、内容の重複を極力減らすなど構成を見直した」と語る田中室長。昨年より合計で14ページ削減し、構成の見直しや記述の精査に苦労したという。
なかでも目を引くのが、表紙のデザインに人気イラストレーターのヨシフクホノカさんを起用したこと。
これについて田中室長は「堅苦しいイメージがある防衛省・自衛隊と国民との距離感を縮めると共に、厳しい自衛官の募集環境を踏まえ、特に若い世代にアプローチし、自衛官の募集につなげることが表紙の狙いだ」と答えた。
表紙のほかにも図表を活用し、重要な用語についてはコラム、解説などで読者がより内容を理解しやすいよう工夫もしている。
「防衛力の抜本的強化を含む取り組みを着実に推進していく必要がある中、より多くの国民に『防衛白書』の存在を認知してもらい、防衛省・自衛隊への理解を深めてもらえる一助となることを願っている」
防衛白書はA4版変形534ページで定価は税込みで1485円。すでに全国の書店などで販売を開始している。