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主力装備品で初輸出 豪次期フリゲートに日本製(2025年8月14日)

2025年8月14日更新


陸幕長旗の旗手に、最後の敬礼で別れを告げる森下前陸幕長(右)

「もがみ」型護衛艦(FFM)の改良型の特徴
基本性能・機関(ディーゼル×2、ガスタービン×1)
・最大速力30ノット(時速55キロ)以上
・水上や水中の無人機を搭載
・ヘリコプター1機が艦載可能
戦闘・主砲や垂直発射装置(VSL)を装備
・高いステルス性能
・掃海機能も持つ
省人化・戦闘指揮所に情報を集約
・火災や浸水時には自動で被害軽減
・乗員を生体センサーで把握

 日本の護衛艦がオーストラリア海軍の次期フリゲートに採用される見通しだ。総額1兆円規模となる初の艦艇輸出を実現させたのは、相手国のニーズに対応し、官民連携で売り込んだことが功を奏した。「もがみ」型護衛艦(FFM)をベースに、豪州が求める性能を追加する形で共同開発・生産する。防衛省・自衛隊にしか売り込み先がなかった国内防衛産業にとって、今回の案件は「海外への販路拡大につながる大きな一歩だ」(業界関係者)と期待を寄せる。(船木正尋)

豪次期フリゲートに日本製

 防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針では完成装備品の輸出について、用途を「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5つに限定し、殺傷力があるものは輸出できないと規定する。

 24年には輸出規制が緩和され、共同開発・生産の対象であれば殺傷力を持つ完成装備品でも輸出が認められる。

 これまで完成品の輸出契約にこぎ着けたのはフィリピンへの警戒管制レーダーの1件だけだ。今回は攻撃能力を持つ自衛隊の主力装備品が外国に採用されるのは初めてで、共同開発・生産の形をとる。

 日豪政府は・・・

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