創刊70年を越える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です

防衛関連ニュース

森下陸幕長、最後の会見 「全て手掛けられた」万感の思い語る(2025年7月24日)

2025年7月24日更新


在任中最後の会見に臨む森下陸幕長(7月24日、防衛省)

 森下陸幕長は7月24日、在任中最後の定例記者会見に臨み、「若い時から変えたいと思うことを、陸上幕僚長在任中に全て手掛けられたと思う」と、これまでの自衛官人生を振り返った。森下氏は8月1日付で陸幕長を退任する。

 森下氏は会見で、陸幕長就任直前の2022年12月に策定された戦略3文書に触れた上で、「防衛力の抜本的強化を遅滞なく、確実に実現していくことが私の責務だと感じていた」と話した。

 自衛隊の「南西シフト」の一環として第7地対艦ミサイル連隊(勝連)、第8同(湯布院)や、第3水陸機動連隊(竹松)、自衛隊海上輸送群などの部隊を新編した。これについて「しっかりと運用できるよう、人を育て、部隊を育てて準備するということを進めてきた」と強調した。

 また、石破首相の下、自衛官の処遇改善のための取り組みが進められていることに関して「政府として後押してもらい、陸上幕僚監部としてうれしく感じている」との感想を述べた。さらに「より充実した陸上自衛隊を実現していくための基盤はできたと思っている」と話した。

 一方で、在任中に発生したUH60JAヘリの墜落事故や自衛官候補生による発砲事件にも言及。時折、言葉を詰まらせながら、「かけがえのない隊員を失う事故が続き、非常に痛恨の極みだ」と吐露。

 「しっかりとした精強な陸上自衛隊をつくる上で一番やってはいけないことが繰り返し起きたことは残念だ」と言葉を絞り出した。

 再発防止策については「対策を徹底して、錬成訓練を繰り返すことで少しずつ改善できていると思う。こうした中で陸上自衛隊の精強化に尽力できた」と万感の思いをにじませた。

 その後、記者から「やり残したことがないか」と聞かれた森下氏は、これまで陸幕防衛部長や統幕で運用などにも携わった経験を踏まえ、「自分は為すべきことは全て成し遂げたと思っている。あとは後任者に同じ問題意識を持ってやり残したことを実現してもらいたい」と後任の荒井正芳陸将へバトンを渡した。

速報動画はXにて→https://x.com/AsagumoNews52/status/1948595104022925465

続きを読む

最新ニュースLATEST NEWS