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防衛関連ニュース
リトアニア国防相 日本と連携強化に意欲(2025年5月28日)
2025年6月10日更新
インド太平洋におけるリトアニアの役割について講演するシャカリエネ氏(5月28日、東京都港区の笹川平和財団ビル)
リトアニアのドブィレ・シャカリエネ国防相は5月28日夕、東京都内で開かれた笹川平和財団主催のイベントで講演し、同国における安全保障の現状などについて語った。ロシアやベラルーシと隣接する自国の安全保障環境を踏まえ、日本とのさらなる連携強化に意欲を示した。(寉見陽平)
笹川平和財団主催イベントで講演
笹川平和財団が主催する公開フォーラムに、リトアニアのシャカリエネ国防相が登壇した。同フォーラムは日リトアニア防衛相会談に先立って開かれた。
「現在、直面する課題に対応するためには価値観ベースの協力だけでは不足だ。それは美しい幻想だったということを理解しなければならない」――。
リトアニアは常にロシアとの相克の歴史だ。第2次大戦中は旧ソ連、ナチス・ドイツによる占領を経て、戦後は再びスターリンの旧ソ連統治下で抑圧が行われた。リトアニアが旧ソ連から独立を果たしたのは1991年。このような歴史的経緯からも同国の「人権」や「自由」への意識は高いとも言われている。
基調講演ではシャカリエネ氏自身が、かつて親族がソ連政権下で迫害を受けたことを明かし「ロシアの側に立つということがどういうことか、よく分かっている」と語った。
リトアニアは2023年に同国初となる「インド太平洋戦略」を発表した。
同国外務省によると、・・・