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T4練習機墜落事故 不明2人の死亡確認(2025年5月22日)

2025年5月28日更新


墜落したT4練習機と同型機=空自提供

 空自のT4練習機が愛知県犬山市の入鹿池に墜落した事故で、空自は5月22日、墜落現場で発見された体の一部が行方不明の空自隊員2人と判明し、いずれも死亡が確認されたと発表した。墜落機に搭乗していたのは新田原基地(宮崎県)の第5航空団第305飛行隊に所属する井岡拓路1空尉(31)と網谷奨太2空尉(29)。DNA型鑑定などで身元を特定し、死亡推定時刻は離陸から約2分後、14日午後3時8分と判明したという。死因は明らかにしていない。

内倉空幕長 「言葉に表すことができないほどの悲しみ」

 空自トップの内倉航空幕僚長は22日の臨時会見で「可能性に満ちた若い2人の戦闘機パイロットを突然の事故で失ってしまった。言葉に表すことができないほどの悲しみを感じている」と苦しい思いを吐露した。さらに事故の原因究明を図り、安全対策を徹底させる考えを示した。

 墜落現場では新たにエルロン(補助翼)やフラップ(高揚力装置)などの残がいを回収した。空自によると、池の底に沈んでいる機体の一部については、民間のサルベージ会社に手法や費用の見積もりを依頼しているという。空自は事故調査委員会を設置し、機体の残がいなどの分析に加え、管制の音声なども確認し、事故原因の解明を進める。

 墜落事故は14日午後に発生。同日午後3時6分に空自小牧基地を離陸、2分後にレーダーから消えたという。同省がレーダーの航跡などを解析したところ、離陸後1分間は飛行に異常はみられず、管制とも通常の交信をしていた。だが、高度1400メートルほどで右旋回をしていた時に突然、急激な降下が始まり、数十秒後に墜落した。

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