創刊70年を越える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です

防衛関連ニュース

空自T4練習機が墜落 事故現場で機体の一部発見(2025年5月14日)

2025年5月21日更新


T4練習機の部品とみられる破片(5月14日、愛知県犬山市の入鹿池)=空自提供

 5月14日午後、空自小牧基地(愛知県)を離陸したT4練習機が北東約13キロにある入鹿池(同県犬山市)付近に墜落した。防衛省によると、19日までの捜索で、入鹿池周辺で座席シートやエンジンとみられるものなどを発見。さらに搭乗員の体の一部も見つけ、収容した。自衛隊や警察、消防は搭乗員の捜索を続けている。

 防衛省によると、T4練習機は新田原基地(宮崎県)所属で、午後3時6分に小牧を離陸、2分後にレーダーから消えたという。同省がレーダーの航跡などを解析したところ、離陸後1分間は飛行に異常はみられず、管制とも通常の交信をしていた。だが、高度1400メートルほどで右旋回をしていた時に突然、急激な降下が始まり、数十秒後に墜落。その間、パイロットから異常を伝える通信や、緊急脱出時に発せられる救難信号は確認できていない。

 搭乗していたのは新田原基地所属の井岡拓路1空尉(31)と網谷奨太2空尉(29)の2人で、前席に網谷2尉、後席に井岡1尉が座っていた。T4は前後どちらの席でも操縦できるため、当時どちらが操縦していたかは不明。2人はF15戦闘機の修理のために小牧に来て、T4練習機で新田原に向かう途中だった。

 入鹿池周辺に住む女性は「事故当時はドーンという大きな音が響きびっくりした。この影響で周辺の貸しボート屋が21日まで休業すると聞いている」と話した。

 機体は1989年製で、離陸前の検査では異常はなかったという。飛行状態などを記録するフライトデータレコーダーは搭載されていなかった。空自は安全対策がとれるまで、保有する約200機のT4練習機の運用を見合わせたほか、事故調査委員会を設置した。

 入鹿池では自衛隊員らが捜索活動を続けている。16日には搭乗員の体の一部を発見し、空自小牧基地に搬送し、DNA検査などで身元確認をしている。

丸茂吉成元航空幕僚長の話

 今回のT4練習機の墜落事故だが、・・・

続きを読む

最新ニュースLATEST NEWS