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護衛艦「くまの」を公開(2025年4月23日)

2025年5月14日更新


ステルス性を高めた平面的な艦体。艦上部にはNORA50複合通信空中線(ユニコーン)を搭載している(いずれも4月23日)


艦内のシステムを集約したCIC。右から哨戒長、艦長、電測員長、隊司令が座る

 海自は4月23日、横須賀基地で最新鋭FFM「もがみ」型護衛艦の2番艦「くまの」(11護隊=横須賀、艦長・奥村健二2佐)を報道陣に公開した。「FFM」とは、フリゲートの艦種記号「FF」に機雷戦(Mine)と多用途(Multi・Purpose)の頭文字を加えたもの。突起物を減らしてステルス性を高めた艦体と、各種システムを集約することで徹底的な合理化・省人化を図り、運用の柔軟性や整備性を高めているのが特徴だ。昨年11月には、オーストラリア政府が次期導入艦の最終候補として「もがみ」型をベースにした能力向上型(約4900トン)と、ドイツのフリゲート「MEKOA200」に絞ったと発表。注目される「もがみ」型の内部を取材した。(伊藤和樹)

最新鋭「もがみ」型 豪が能力向上型を導入候補に

 「もがみ型」の最大の特徴は、分散配置していた各システムを全て集約した戦闘指揮所(CIC)。射撃管制、電信、操舵、機関室の要員が360度スクリーンで情報共有しながら操作できる。

 艦橋も、電子海図装置やレーダー指示器を統合。副直士官が海図に定規を当てる必要はなくなり、乗組員は1人1役から1人2~3役を担うことで要員は7人から4人に削減された。艦全体を従来の約半分の90人で運用する。乗員によると「人が減っても自動化していて不便はない」という。

 艦内だけではなく、艦の運用や整備でも合理化が図られている。

 従来の機雷掃海活動には作業する掃海艇と警戒する護衛艦の2隻以上で当たっていたが、・・・

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