創刊70年を越える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です
防衛関連ニュース
自衛隊の人的基盤強化へ 慢性的な人手不足解消なるか
2025年4月1日更新
「自衛隊の人的基盤強化に取り組む」││。石破茂首相は1月24日の施政方針演説で力強く語った。その具体策が、昨年12月20日に政府がまとめた自衛官の処遇改善に向けた対策だ。国防をライフワークとする石破首相が政権の目玉政策として議論を押し進めた。「国民を守る」という崇高な志を持った自衛官の処遇や生活・職場環境は現在、満足できるものとは言えない。「武士は食わねど高楊枝」では、慢性的な人手不足を解消することはできない。日本を取り巻く厳しい安全保障環境の中、人員確保は待ったなしだ。(船木正尋)
政府が処遇改善策を策定
部隊で戦闘や災害対応などに従事する「制服組」とも言われる自衛官は、国家公務員の全定員の4割にあたる24万7000人を占める。だが、慢性的な人手不足が長年の課題だ。2023年度の自衛官の採用想定人数の充足率は、51%の過去最低を記録。1万9598人を募集したところ、9959人の採用にとどまった。最も階級の低い「士」の職務に就く任期制自衛官の候補生に限ると約30パーセント。
こうした状況を反映して、・・・