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防衛関連ニュース
樋口前陸自中音隊長 高校の教壇に(2025年2月12日)
2025年3月21日更新
3年生を送る会で歌う「Oh・Happy・Day」の振り付けを指導する樋口前陸自中音隊長(写真はいずれも2月12日、埼玉県立狭山青陵高校)
自衛隊での経験談を織り交ぜながら、生徒たちに君が代の歴史を解説した
埼玉県立狭山青陵高校の生徒たちは2月12日、卒業式や「3年生を送る会」に向け、音楽の授業とリハーサルを通じて合唱・合奏の練習に取り組んでいた。年度末に全国各地の学校で見られるありふれた光景だが、その中に一人、2023年3月まで陸自中音隊長を務めた樋口孝博元将補(61)の姿があった。定年退官直後は県内の中学校に勤めていたが、今年度は高校に赴任。自衛隊で得た知見を授業や指導に生かして活躍する樋口先生の背中を追った。(伊藤和樹)
自衛隊の経験生かし、授業
「『君が代』を歌う機会って、この先あるかな?」と樋口先生が生徒たちに問う。
2月12日の5時間目、2年生にとって最後の音楽の授業は、卒業式で歌う「君が代」がテーマ。
「海外で故郷の国歌について聞かれたとき、答えられないと恥をかくよ」。生徒たちの視線が先生に向く。「国歌をなぜ歌うのか、そもそも国歌ってなんなのか、どうしてできたのか」。そうして授業が始まった。
高校の授業で国歌を扱うのは稀(まれ)だという。それをあえて教えるのは、「音楽隊長として世界で一番多く『君が代』を演奏した。いわば国歌のプロだから」と話し、歌詞の意味から、起源、制定にいたる曲の変遷を紹介。
実際にピアノで弾(ひ)いて聴かせることで当時流行した旋律や日本語の発音の特徴など、さまざまな観点から解説した。
世界各国で国歌を演奏した経験談や、・・・