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自衛隊、万一に備え待機 大船渡市の山林火災鎮圧(2025年3月6日)

2025年3月12日更新


空中消火に向けて飛び立つ1ヘリ団のCH47ヘリと、地上で支援する東北方面特科連隊の隊員やトラック(3月1日、岩手県大船渡市の盛川河川敷公園)=統幕提供

 岩手県大船渡市で2月26日から続いていた山林火災=3月6日付既報=は3月9日、延焼の危険性がなくなったとして同市が火災の「鎮圧」を宣言した。これを受けて翌10日午前、避難指示も全面解除された。

 県知事の要請を受けてヘリによる空中消火を行ってきた自衛隊の災派部隊は9日に待機に入ったが、11日午後、再び1ヘリ団のCH47で空中消火を実施。撤収要請があるまでは今後も断続的に活動する予定だ。

 吉田統幕長は3月6日の記者会見で「我々は、地上での消火活動に当たる消防機関のサポートとしての役目を担っており、自治体等との緊密な連携が非常に重要だ。今回は延焼に合わせて自衛隊のヘリを増派していった」と述べた。

 さらに、空中消火で発生した水蒸気による視界不良の中での任務や、狭いエリア内での航空安全の確保など、自衛隊として細心の注意を払ってきた点についても言及し、「東北方面隊が消火活動の効果と2次被害の防止を含めた航空安全をしっかりと見極めつつ、(最適なヘリの)機数を運用している」と述べた。

 大船渡市は市の面積の9パーセントに当たる約2900ヘクタールを焼失。死者は1人、建物被害は210棟に上り、平成以降の山林火災では最大となった。

 【自衛隊の災派実績】▽散水回数=1259回▽散水量=6295トン▽参加部隊=陸自1ヘリ団(木更津)のCH47、東北方面航空隊(霞目)のUH1、空自三沢ヘリ空輸隊と入間ヘリ空輸隊のCH47

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