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2025年度防衛費 重要施策を見る <5> 空自
2025年2月28日更新
多軌道観測実証衛星のイメージ(防衛省提供)。来年度打ち上げるSDA衛星の実証機をキヤノン電子が製造中だ
宇宙作戦団(仮称)を新編
昨年11月、防衛省はXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」の打ち上げに成功し、1号、2号と合わせて3機で運用することで、自衛隊の基幹通信をより強靱なものにした。一方で、同年に北朝鮮も軍事偵察衛星の打ち上げを試み、韓国軍は同衛星の4、5号機を年内に打ち上げる計画を発表。戦場は空を越えて宇宙にまで広がっている。
防衛省は予算の重点に衛星コンステレーションの構築(2832億円)、次期防衛通信衛星の整備(1238億円)と宇宙領域での防衛力強化を挙げ、次世代防衛技術実証衛星の開発に97億円、戦術AI衛星実証機の試作に52億円を投入するなど、「宇宙作戦能力の強化」に計5403億円を計上している。
空自全体としては前年度8%減の1兆9448億円を計上。そのうち宇宙領域における能力強化には389億円を充てた。
宇宙領域把握(SDA)強化のため、人工衛星への電磁妨害などを検知する衛星妨害状況把握装置(28億円)を取得し、関連経費に52億円、来年度打ち上げ予定のSDA衛星の関連経費には31億円、そのほかは、関連事業経費として109億円を計上。
組織体制を強化するため、宇宙作戦群を宇宙作戦団(仮称)に格上げして新編。指揮官に将補を配置して、隷下の2群4隊が宇宙空間の監視や対処任務にあたる。新設する第1宇宙作戦群(仮称)はSSAレーダーやSDA衛星の、第2宇宙作戦群(仮称)は来年度導入予定の宇宙空間監視用レーザー測距装置の運用などを担う予定で、・・・