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防衛関連ニュース
伊勢湾で「機雷戦訓練」、日米共同「掃海特別訓練」 船舶航行の安全を守る(2025年2月1日~10日)
2025年2月26日更新
報道陣が乗り込んだ掃海艇「いずしま」。船体はベイマツを使用した木造の掃海艇だ

掃海艇「いずしま」に搭載された機雷処分具(PAP14)をクレーンでつり上げ海面に降ろす隊員たち
「いずしま」から見上げた掃海母艦「うらが」。掃海艦艇を支援する母艦だけあって、迫力に圧倒される
訓練海域を見渡すと潜水艦
掃海機能を持つ護衛艦「くまの」が姿を現した
掃海艇「いずしま」の艇内には、災害派遣で活躍した功績をたたえる賞状が飾られていた(写真は「知床遊覧船沈没事故」の災派で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」を発見した時の賞状)
ワイヤーで機雷のケーブルを引っ掛けて切断する方法を説明する「いずしま」の乗員
掃海母艦「うらが」(左)に横付けする「いずしま」。乗員がほぼ総出で安全を確認しながら、少しずつ艇を近づけていく
掃海母艦「うらが」には潜水病などが発生した場合の治療に用いられる再圧タンクが備えられている
一日の行程を終え岸壁の報道陣に帽振れする「いずしま」の乗員
記者の質問に答える訓練統制官の池内出海将補
伊勢湾で2月1日から10日の間、海自の「令和6年度機雷戦訓練」と日米共同の「掃海特別訓練」が行われた。北は函館から南は沖縄まで各地の掃海艇が集結し、さらに護衛艦や潜水艦など海自艦艇13隻が参加、機雷敷設や機雷掃海・掃討など各種機雷戦能力の向上を図った。2日には掃海艇「いずしま」(艇長・松下拓未1尉)で、報道陣に訓練の様子が公開された。(亀岡真理子)
海自艦艇13隻集結、潜水艦も参加
朝8時半すぎ、記者を乗せた「いずしま」が松阪港を出港した。訓練海域に向かう途中、艇内で掃海艇の役割や訓練の概要などが説明された。機雷戦訓練は伊勢湾のほかに硫黄島(6月中旬~下旬)、陸奥湾(7月中旬~下旬)、日向灘(11月中旬~下旬)の4カ所で行われる。昨年の日向灘の訓練は、掃海艇「うくしま」の火災・沈没事故を受け中止になっている。伊勢湾における機雷戦訓練は2010年から始まっており今回で14回目。「いずしま」をはじめとした掃海艇8隻、掃海母艦「うらが」、掃海艦「あわじ」「ひらど」のほか、護衛艦「くまの」や潜水艦も加わり、米海軍からはUUV操作員などが参加した。
訓練海域に到着
約1時間ほど航行したところで訓練海域に到着。見渡すと四方の水平線上に、訓練に参加する掃海艇や「くまの」、さらに潜水艦が姿を見せた。機雷戦訓練に潜水艦が参加するのは2006年以来。今回の訓練では自艦が発する磁気の量を確認する「磁気確認試験」を行っている。
隊員が指差し、「潜水艦の横に止まっている掃海艇が、・・・