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2025年度防衛費 重要施策を見る <3> 陸自(2025年2月)

2025年2月17日更新


「陸自補給統制本部」は十条駐屯地に所在する


=防衛省提供

補給の指揮系統を一元化

 2021年12月、当時の岸田首相は23~27年度までの5年間の防衛費を、従来の1・5倍以上の約43兆円に引き上げる方針を示した。

 防衛省はこの5年間を「防衛力の抜本的強化」と位置付け、今年はその3年目、折り返し地点となる。

 その中で陸自の25(令和7)年度予算は、歳出ベースでは過去最高の2兆4954億円を計上。

 防衛の「空白地帯」と呼ばれた沖縄を含む南西諸島の防衛体制は、一昨年の石垣駐屯地の開設をもって「陸自部隊の空白を埋めるために計画していた部隊配備が完了する」と浜田防衛相(当時)は述べている。

 部隊配備は完了したが、部隊を構成するのは「隊員」であり、隊員が組織的に戦いを継続するためには「弾薬や必要な物資」とそれらを「輸送できる能力」が大前提だ。

 いわゆる「人的基盤」や「継戦能力」を強化するため、陸自はAI(人工知能)などの最新技術を活用した省人化・無人化策や後方支援能力の強化を図る。

 特に各方面隊で必要な物資を調達、保管、補給することなどを担う「補給処」について、これまでは各方面隊が指揮監督し、「補給統制本部(十条)」が統制するという、2つの指揮系統下にあったが、それを一元化する。補給統制本部を「補給本部(仮称)」に改編し、全国に5つある補給処を束ねる。

 新たに補給本部長(仮称)をトップに据え、・・・

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