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防衛関連ニュース

中枢担う直轄部隊 陸自中央管制気象隊に迫る 飛行部隊を陰で支え続け(2024年10月22日)

2024年12月9日更新


防衛省A棟屋上のヘリポートは、隣接する物見塔と呼ばれる施設で気象をみる隊員(右)や航空機に無線連絡をする隊員(左)など計5人が航空機の運航を支援 (いずれも10月22日、防衛省)


陸自中央管制気象隊の中枢部では、手前の「気象班」や奥の「飛行管理班」などが常時リアルタイムで情報を収集、共有し監視している


取材当日は第1飛行隊(立川)のUH1ヘリが訓練のため、防衛省A棟屋上のヘリポートに飛来した。南西方面から表れ、機体を地面に接地すると、わずか数十秒で北に向けて飛び立った


ヘリポートには安全のためのさまざまな対策が施されている。写真は「車止め装置」といい、地中に埋設した防壁がせり出すことで、逆方向からの航空機の発着時におけるスリップなどの重大事故を防止する機能を果たす。その奥には脱落防止柵も


今年、防衛省A棟屋上のヘリポートにおける運航支援3000回を見事、達成した。写真は2000回を達成した平成28年3月21日に当時の隊員たちが記念撮影したもの(陸自提供)


吉田隊長(前列中央)以下、陸自中央管制気象隊の隊員(8月1日)=陸自提供

 陸自中央管制気象隊は、市ヶ谷に所在する防衛大臣の直轄部隊として、主に全国の管制気象隊による管制気象業務の指導・統制や統幕・陸幕などに対する気象支援、防衛省庁舎屋上にあるヘリポートの運航支援などを行っている。中央管制気象隊長の吉田智2佐は「各方面の管制気象隊は、飛行部隊の任務遂行を支える縁の下の力持ちであり、うちはその現場の管制気象隊をさらに下から支えています」と話すように、陸自の航空機全般の飛行のための通信・管制業務から、「気象」という国防上不可欠な情報を管轄するなど、まさに我が国の防衛中枢を担う部隊に迫った。(寉見陽平)

■飛行管理班

 陸自飛行管理システム(GFS)を使用した、全国20駐屯地などにおける陸自航空機の飛行計画の通報受理や航空機の安全運航のために関係機関が発表する飛行場・射撃・花火などの情報(ノータム)を収集、審査した上で、関係する航空機に情報を提供し、陸自航空機全般の飛行を監視している。

 そのほか、レーダー管制装置と連接し、航空機の位置情報を・・・

 

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