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防衛省 「WPS」横断的に取り組む 松沢国際連携企画官に聞く(2024年10月31日)
2024年11月20日更新
防衛省が進めるWPSの取り組みについて語る松沢企画官(10月31日、防衛省)
「防衛省WPS推進企画」に基づく具体的な4つの取り組み
「WPS」――。女性(Women)、平和(Peace)、安全保障(Security)の英語の頭文字から取ったもので、防衛省内で今、最も“ホット”かつ“スピード”感を持って、横断的に取り組んでいる分野だ。今回、その旗振り役を務める防衛政策局インド太平洋地域参事官付の松沢朝子WPS国際連携企画官に、「WPS」を防衛省で推進する意義や今後の展望などについて話を聞いた。(寉見陽平)
「防衛省が主導することに意義がある」
紛争や災害発生時に、女性や女児などは特に弱い立場に置かれやすい。だからこそ保護・救済すべきであることは言うまでもない。しかし、女性を被害者として見るのではなく、むしろ女性ならではの視点や経験などを活用し、さまざまな意思決定プロセスに指導的・主体的に参加させることで、より持続的な平和に貢献できるというのがWPSの本旨だ。
WPSの概念は2000年に国連安保理で採択され、日本では15年後の2015年に、政府が国内の「行動計画」を策定したのが始まり。
防衛省も行動計画に基づき、「実施主体」とされたが、省一体で積極的に取り入れてきたわけではなく、防衛省の中にWPSを担当する課もなかった。
しかし去年以降、省全体のムードは一変した。
昨年6月に「WPS国際連携調整官」が新設され、8月には政務官をヘッドに、事務次官、全幕僚長などがメンバーの「推進本部」が立ち上がった。
その後、・・・