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石破首相 政府、関係閣僚会議を初開催 「自衛官定員割れ、喫緊の課題」(2024年10月25日)

2024年11月11日更新

 政府は10月25日、自衛官の深刻な定員割れを解消するため、関係閣僚を招集した初会合を首相官邸で開いた。

 会合は石破茂首相を議長に、中谷元防衛相、林芳正内閣官房長官、村上誠一郎総務相、あべ俊子文科相、福岡資麿(たかまろ)厚労相、武藤容治経産相、斉藤鉄夫国交相のほか、財務、農林省の政務官らと防衛省から大和太郎防衛政策局長、青木健至人事教育局長が出席。

 冒頭、中谷大臣から自衛官の募集環境が悪化する中、防衛力の抜本的強化のためには自衛官の確保が至上命題であること。そして、そのためには若年定年制と任期制という独自の制度がある自衛官に退職後の不安を感じさせないで、安心して任務に従事できるよう、「令和の時代にふさわしい処遇」を確立することを関係閣僚らに要請した。

 これに対し、村上総務大臣は自衛官の募集事務の一部を担う地方自治体との連携強化などで協力するとし、斉藤国交大臣は、防衛省から協力要請があった航空整備士などの退職後の国家資格取得に関する手続きの簡素化や人手不足が顕著な自動車、航空、海運、建設業界への退職自衛官の再就職先など、防衛省と相談して取り組んでいくとした。

 あべ文科大臣は、自衛官の再就職活動のために在職中から大学などへの入学準備ができる環境整備や、リカレント教育プログラムの積極活用などで関係機関と連携して検討を進めるなど、多くの意見が出された。

 会合の最後には、石破首相が発言。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力の最大の基盤である自衛官の定員割れが続き、若くして定年退職する自衛官が生涯設計を描けるようにすることは「喫緊の課題」だとし、今後は副議長の中谷防衛大臣を中心に、関係省庁が連携して取り組むべき方向性を年内に示し、来年度予算に計上するべき項目を取りまとめるよう指示した。

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