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防衛関連ニュース
石破内閣 中谷氏が3度目の防衛相(2024年10月2日)
2024年10月17日更新
栄誉礼を受けた後、特別儀仗隊を巡閲する中谷元第26代防衛大臣(左から2人目)=10月2日、防衛省
10月1日に発足した石破内閣で、第26代防衛相に中谷元氏(67)=衆院高知1区=が就任した。防衛トップの任に就くのは今回で3回目。翌2日、防衛省に登庁した中谷大臣は、訓示の中で「8年ぶり3度目の拝命をし、国を守る、そして防衛という仕事を共にできるということは無上の喜びであり、大変光栄だ」と述べ、木原前大臣に引き続き「防衛力の抜本的強化」や「人的基盤強化」などの諸課題に、決意を持って取り組んでいく覚悟を示した。
防衛力を抜本的強化
10月2日午後、初登庁した中谷大臣は、儀仗広場で特別儀仗隊から栄誉礼を受け、殉職隊員慰霊碑に献花した後、A棟講堂で主要幹部ら約600人を前に訓示した。
冒頭、石破首相から9つの指示を受けたことに言及し、(1)「防衛力の抜本的強化」に努めるためには、(2)「防衛生産・技術基盤」を強化し、(3)自衛官の処遇や勤務環境を改善するなど「人的基盤の強化」に取り組むこと。
さらに、(4)「日米同盟の抑止力・対処力」をより強化するため、日米の指揮・統制の枠組み向上や反撃能力を効果的に発揮するための連携強化と、多国間との防衛協力・交流の推進、特に米国とは在日米軍再編を進め、(5)沖縄をはじめとする地元負担の軽減を実現することを挙げた。
また、日頃から(6)24時間態勢で我が国の領土・領海・領空の警戒・監視を怠らず、不断の情報収集体系を確立し、(7)防衛省・自衛隊の信頼確保に全力を挙げると共に、(8)自然災害にもきちんと対応していくこと。
(9)安全保障に関する法整備を含め抑止力の基盤・整備に向けた検討を内閣でも行うことも併せて伝えた。
その上で、現在進められている「防衛力の抜本的強化」の取り組みについて、「このスピードをさらに加速して1日も早く整備、実現させることが私に課せられた使命の第一だ」と述べ、そのためには「国民からの理解・納得・共感が不可欠」との認識の上、「国民から信頼され、愛される自衛隊をつくり上げること」を強調。
中谷大臣のモットーである「巧詐(こうさ)不如拙誠(せっせい)(こうさはせっせいにしかず)」という中国の古典(「韓非子」説林上)を掲げ、「ごまかしや偽りを巧みについても、拙くても誠実で正直な心にはかなわないという意味で、常に修練あるのみだ」と訴えると共に、同郷で尊敬する政治家の浜口雄幸元首相(1870~1931)の教えである「些細なことに囚(とら)われて、王道を見失ってはいけない」という言葉を紹介し、「皆さんも肝に銘じて頑張ってもらいたい」と訓示した。
併せて、自衛隊員が働きやすい職場環境を整備し、・・・