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防衛関連ニュース
能登大雨 災派続く(2024年9月27日)
2024年10月2日更新
濁流が流れ込んだ海岸付近で、警察や消防などと連携し、行方不明者を捜索する自衛隊員(9月27日、輪島市)=中部方面隊Xから
9月21日に石川県能登地方を襲った記録的な大雨の被災地で、防衛省・自衛隊は10月1日現在、約1200人態勢で懸命の捜索活動と被災者の生活支援に当たっている。自衛隊は元日に発生した能登半島地震で、人命救助と地域の復旧・復興に向けて過去最長の274日に及ぶ災害派遣活動に従事していたが、8月31日の撤収からわずか3週間で再び現地入りし、地域に寄り添った活動を続けている。
1200人態勢で懸命の捜索
石川県の輪島市、珠洲市、能登町では大雨による河川の氾濫や土砂崩れ、これに伴うライフラインの寸断や家屋の倒壊などが発生。10月1日正午時点での死者は13人、行方不明者は4人に上る。
自衛隊は9月21日以降、最大1400人態勢で、人命救助や生活支援活動を行っている。
陸自14普連(金沢)、空自23警戒隊(輪島)が人命救助や捜索、陸自372施設中隊(鯖江)、381施設中隊(大久保)、382施設中隊(富山)、402施設中隊(岐阜)、10施設大隊(春日井)が土砂で寸断された道路啓開など、10特殊武器防護隊(守山)、10高特大(豊川)、10後支連(春日井)が給水支援など、陸自中方航(八尾)や10飛行隊(明野)、空自小松救難隊や新潟救難隊がヘリによる捜索救助や人員・物資輸送などを実施してきた。
9月27日の会見で木原防衛相は「地震からの復興途上にある被災者の方々は、長引くおそれのある避難生活をはじめ非常に不安な状態に置かれている。防衛省・自衛隊は現地で不安に思っている皆さまに支援の手が確実に届くよう、人命救助活動のみならず、生活支援の面からも引き続き全力を尽くし、被災者の方々の心に寄り添った活動を実施していく」と語った。
10月1日現在の活動実績は、人命救助148人、道路啓開約4・7キロ、物資輸送(食料、飲料水、携帯トイレ、衛生用品など)、給水支援約489トン。