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陸自が民間力積極活用 下志津駐屯地で7業務委託(2024年10月)
2024年10月2日更新
広報業務の経験がなかった宮本さんは、駐屯地を盛り上げる大事な一員だ(いずれも9月19日、千葉市の下志津駐屯地)
前職までのスキルを生かし、総務全般をこなす髙石さん(中央右)も今や駐屯地ではなくてはならない存在だ
お世話になった自衛隊に尽くせる喜びを感じている辻本さん。輸送業務に従事し、自衛隊を支え続ける
陸自は今後の厳しい募集環境を見据え、3月に「民間力活用推進班」を陸幕内に設置した。全国の駐屯地などで民間に委託できる仕事を洗い出し、民間力を積極活用するための調整・計画や事業管理などを実施している。同班によると、9月の時点で全国24駐屯地がすでに一部業務を民間に委託することによって、今年度は約60人の隊員を、第一線部隊などに配置する予定だ。今回はそれら駐屯地の中で、最も民間力の活用が進んでいる千葉県の下志津駐屯地を訪れ、実際に働く3人に話を聞いた。(寉見陽平)
今年度約60人を第一線部隊に配置へ
「陸自高射学校」が所在する下志津駐屯地では、令和2年の時点で、すでに一部業務を民間に委託、全国の駐屯地の中で「最も先進的」に民間力の活用に取り組んできた。
駐屯地では現在、「総務」「庶務」「輸送」「文書」「広報」「教務・厚生」「学生管理」の計7業務に10人が民間雇用され、そのうち女性は6人だ。
民間力活用推進班によると、陸幕は以前から民間力が活用できそうな学校・補給処・業務隊などの機関を今後の先進モデルとして指定しているという。選ばれた機関は、民間業務委託の先進モデルとしての役割が期待される。
同班計画係長の河上剛2佐は「今の段階できちんと運用できているかを見ており、今後、他の業務でも民間委託できるかの検討もしているところだ」と明かす。
モデルとなった機関については「主に人が集まる学校や都市圏にある駐屯地などで試し、その後は他の場所にも拡充していきたい」と述べ、「特に下志津は都市圏にあり、学校機関ということで業務の内容的にも最も民間力を活用しやすい環境にあった」とみている。
実際に、・・・