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防衛装備庁 レールガンの洋上発射成功 電磁力で高初速の弾丸発射(2023年10月17日)

2023年11月27日更新


10月17日に防衛装備庁Xで発表されたレールガンの洋上発射試験の様子(いずれも防衛装備庁X、HP、YouTube公式チャンネルより)


レールガンの弾丸。くぼみのある左側の白い部分が電気子、装弾筒に挟まれて弾心がある。




砲口から1・5メートル、2・5メートル、4・5メートルの弾丸の飛しょう状況。電気子のエネルギーを受けて、装弾筒が分離し、弾心が飛しょうする状況が分かる

 防衛装備庁は10月17日、海上自衛隊と連携して艦艇に搭載したレールガンの洋上射撃試験を世界で初めて実施したと発表した。試験艦「あすか」に装備を実装して行った。レールガンは発射薬の燃焼ガスではなく、電磁力によって弾丸を発射するもので、弾丸の初速と射距離が大幅に伸びるため、実用化すれば弾道ミサイルや極超音速誘導弾への有効な対抗手段になりうる。

 従来の装備品などでは対処が困難な極超音速誘導弾に対する防空手段や、艦艇、地上目標に対して回避が困難な打撃を遠距離から与える手段となりうるレールガンの研究は、陸上装備研究所が2015年まで口径16ミリの小口径レールガンを用いて研究を続けてきた。

 レールガンは電気を通しやすい2本の砲身レールの間の電気子に大量の電流を流して磁場を発生させ、電磁力による加速で弾丸を発射する。従来の火砲と比べて弾丸の初速を大幅に増大・・・

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