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朝雲寸言

 

 久しぶりに気の置けない仲間と会食する機会があった。いわゆる同期の飲み会というやつである。

 参集の目的は参加者の快気祝いであった。二度の手術を経て退院を果たし、ようやく会合に出席できるほどに回復した友人を見て話題は必然的に健康に関することに集中した。

 若いときは相当にむちゃをした仲間たちではあるが高齢者予備軍ともなれば身体のどこかに問題を抱えているのは当然のことだ。経験した病気や手術のことを忌憚(きたん)なく話せるのも濃密な青春時代を共有した仲間ならではのことである。

 話題はすでに鬼籍に入った同期の話にも及んだ。先だった同期の数は年を追うごとに増える一方である。それでも多くの同期が現役を退いてもそれぞれの分野で活躍していることは同慶の至りというべきか。

 若いときに集団生活の中でスポーツや訓練で身体を鍛え、勉学に励み、同期で切磋(せっさ)琢磨(たくま)した年月は確実にしぶとく元気な老人たちを生み出しているように思える。

 すでに死語となった「若い時の苦労は買ってでもしろ」という格言は厳しい冷戦下を生き延びた仲間たちを見る限り的を射ているようだ。

 かつては飲み放題、暴飲暴食が当たり前だった者たちも年相応に酒の量が減り、会は一次会でお開きとなった。

 今年の飲み納めとなった会場を出ると街はクリスマス一色であった。この平和の陰で粛々と任務に従事する多くの自衛隊員たちを思い夜空を仰いだ。

(2025年12月25日付『朝雲』より)

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