創刊70年を越える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
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朝雲寸言
カレンダーに予定を書き込むのは時代遅れなのか。スマホやパソコンでスケジュールを管理するのが若い人の常識かもしれない。
我が家の定番のカレンダーは2カ月表示のもので日付欄の余白に今月と来月の予定を書き込んである。予定を忘れないためではない。自分の予定を家族に知ってもらうためのものだ。若い頃は手当り次第にさまざまなスケジュール管理を試した。システム手帳や黒い背表紙のノート、業務ノートにひと月の予定表を貼り付けたこともあった。
初級幹部時代に先輩から厳しく教えられたのは業務予定表や作業工程表の作成だった。やるべきことをリストアップして優先順位を考え、やるべきことを縦軸に日時を横軸に配置した棒グラフで表したものをガントチャートと呼ぶ。年間、月間などの業務予定表もガントチャートの一つである。
大きな組織になればなるほど各部署の連携と情報共有が必要で各々(おのおの)の作業開始時期と完了時期が明らかになれば全体の進捗(しんちょく)を左右するクリティカルパス(重要タスク)が見えてくる。
それでも計画が思うよう進捗しない場合もある。いわゆるボトルネックを解決する手段が予備であり、代替手段や人材・資金そして時間的余裕などは的確な業務予定表によって明らかになると思う。
間もなく大型連休。関西万博の開催もあって多くの人が動くだろう。ただし、我が家のカレンダーは空白のままである。
(2025年4月24日付『朝雲』より)