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ブックレビュー

脱力が力強さを生む! 田中 直史著


 「一流選手のパフォーマンスを思い浮かべてください。最大の力強さを発揮するため、持てる力をできるだけ込めているはずですが、『力み』とはほぼ無縁です」――。

 今、メディアで連日のように世間を賑(にぎ)わせている米大リーグの大谷翔平選手や前田健太選手。そして往年の天才バッター落合博満選手のバッティングフォームなどを、図を駆使して分かりやすく説明。野球に限らずゴルフ、テニス、格闘技、サッカーを例に、一流選手に共通する身体の使い方とメカニズムを徹底的に追究した本書。

 そのメカニズムの支柱となる理論が、著者が唱える「でこピンパワー」という概念。いわゆる「でこピン」のように、関係する関節・筋を十分にゆるめておき、使いたい筋や腱の長さをあらかじめ、より長くしっかり伸ばしておくことで、力を込めて使う場合より、より力強さを発揮できるというものだ。

 医学博士で現役の整形外科専門医でもある著者が教える「身体に優しくかつ理にかなった『身体の使い方』」は、多くのスポーツマンたちも納得の示唆を与えてくれる。

 (現代書林刊、1540円)

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