創刊70年を迎える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です

ブックレビュー

わかりやすい防衛テクノロジーシリーズ 作戦指揮とAI 井上 孝司著


 昨年末、策定された「防衛力整備計画」の中で挙げられた「領域横断作戦能力」の強化。さらに、最近の日米共同訓練などでは陸自の「領域横断作戦」と米陸軍の「マルチ・ドメイン・オペレーション」の連携も行われるなど、自衛隊の戦い方も進化し、複雑さを増している。

 いわゆる宇宙、サイバー、電磁波、AIといった多領域の分野を含む「現代戦」の中で、本書は特に軍の活動において頭脳と神経の役割を果たす「指揮統制」「指揮管制」、そしてその分野に取り入れられつつあるAI(人工知能)について、最新の動向を踏まえて解説している。

 軍事とITに強いテクニカルライターの著者が、2013年から「マイナビニューズ」で連載している「軍事とIT」を重要なテーマごとに再編集、アップデートするシリーズ「わかりやすい防衛テクノロジー」の2冊目となる。

 機械や技術の話ばかりでなく、各部ではきちんと歴史的背景や最新事情などが説明され、難しい用語には注釈が付けられているので、誰でも気軽に「防衛技術」について学ぶことができる。

 (イカロス出版刊、1760円)

最新ニュースLATEST NEWS