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ブックレビュー

NATO(北大西洋条約機構)を知るための71章 広瀬 佳一編著


 ロシアのウクライナ侵攻により、改めて世界の注目を集めているNATO(北大西洋条約機構)。その組織構造や独自性、成立の歴史、拡大する機能・加盟国、戦略概念の変遷や各国の対応、パートナー国でもある日本との関わりなどを各分野の専門家が解説する。

 執筆陣はそれぞれの分野の第一線の専門家で、前防研研究幹事の吉崎知典氏ら日本におけるNATO関係の研究者をほぼ網羅している。第Ⅰ~Ⅷ部のどの章も、独立した内容を持った構成で読者の興味と関心に合わせて、「あちこち飛ばしながら読むことができる」と編著者が自負する。

 4月5日には林外相がNATO外相会合に出席するなど、関係が深まりつつある日本。NATO本部にパートナー国幕僚として派遣された陸上自衛官、NATO国防大学留学後にNATOとの連絡官を兼務している在ベルギー防衛駐在官の航空自衛官もコラムで登場しているのも特徴だ。

 また、付録資料として巻頭・巻末でNATOの地図、機構図、任務やヨーロッパ安全保障主要年表などを収録。激変する国際安全保障を知る上で必読の一冊だ。

 (明石書店刊、2200円)

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