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ブックレビュー

偉人たちの決断 新たなる道を 切り拓いた有名・無名28人のものがたり 加来 耕三著


 大学・企業の講師を務めながら歴史家・作家として独自の史観に基づく著作活動を行っている著者。

 日々の生活の中で、目にみえない不平や不満がちりのように積み重なり、いつしかその重さに苦悩し、心晴れない日があったとする。そんなとき、歴史上の有名・無名の偉人「大和心」を持つ人々を訪ねることにしているという。

 世に知られていながら誤解され続けている人、立派な人生を歩みながら広く人々に知られることのない無名の英雄、心の豪傑な人、可憐(かれん)でいながら強い意志を持つ乙女、ときに放埒(ほうらつ)でそれでいて真面目で、必死に前向きに生きようとした歴史上の人々の、笑い声や嘆き、啜(すす)り泣く声を聴いていると、心の奥底が少しずつ沈着し、晴れやかになってくるという。

 「それでも、この世は、捨てたものじゃない」。ただ一生懸命に立ち向かえば、それでいいのだ、結果ではない、と。

 本書は日本人独特の感性、DNAを持っていた、己の人生を懸命に生きた老若男女を、「大和心」を基準に歴史の世界に求め集めた一冊だ。

 (戒光祥出版刊、1650円)

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