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ブックレビュー

平成防衛史 令和に委ねる憲法改正 田村 重信著


 本書は、防衛政策などの問題を30年以上にわたり担当してきた政治評論家の著者が、自民党政務調査会の国防部会担当になってから退職するまでに携わってきた防衛政策・法制についてのすべてを記した「自分史」だ。

 著者が初めて政治の世界に入ったのは、現在の岸田派である「宏池会」という派閥の事務所。その後は自民党本部に勤務し、政務調査会の農林・水産担当になると、日本人の水産物の消費拡大に向け尽力し、一躍話題となった名曲「おさかな天国」を手掛けた。その後、国防担当になり、退職するまで防衛関連の法律などすべてを担当した。

 「国会が今やらなければならないのは、憲法を改正し、自衛隊を諸外国と同じ活動・行動のできる軍隊と位置付けること」だと著者は言う。米は6回、印は103回、同じ敗戦国の独は65回と、他国が時代に合わせて何度も憲法改正を行う中、日本はいまだ1度も改憲していない。

 日本国憲法には「第9章改正」として憲法改正規定がある。憲法を守ることは、時代の変化に合わせて改憲しなくてはいけないということでもあり、日本はもっと自主的に防衛努力しなければならない。この本は「憲法改正を日本でも当たり前にする」必要があることを教えてくれる一冊だ。

 (内外出版刊、1100円)

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