創刊70年を迎える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
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　先の大戦で日米が激戦を繰り広げた南太平洋のパラオ「ペリリュー島の戦い」の史実を参考にフィクションとして描いた『ペリリュー　―楽園のゲルニカ―』本編のスピンオフ作品。原案協力は太平洋戦争研究会の平塚柾緒（まさお）氏。

　本編は２０１６年から昨年まで青年漫画雑誌「ヤングアニマル」で連載され、単行本累計は「戦争漫画」としては異例のヒットとなる約８０万部を記録。１７年の第４６回「日本漫画家協会賞優秀賞」の受賞作でもある。

　今回の「外伝」には、「片倉分隊の吉敷」「Ｄデイ（攻撃開始日）」「田丸と光子」「ペリリュー島のマリヤ」の４話が収録されている。

　２０１５年に当時の天皇皇后両陛下が戦後７０年の「慰霊の旅」としてペリリュー島を訪問されたのを機にこの島の存在を知ったという作者は、自らも島に足を運び、生還兵や関係者へのインタビューを重ねてきた。

　作家の石井光太氏は巻末の解説で「次の世代に平和のバトンをつなげる役割を担う作品」と評価する。若い世代にとっては「あの戦争」を知る良いきっかけとなるだろう。

　（白泉社刊、６６０円）