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ブックレビュー

本当のウクライナ―訪問35回以上、 指導者たちと直接会ってわかったこと 岡部 芳彦著


 ウクライナを一言で紹介するなら「陽気で、明るく、美味しい国」と表現する著者は、同国を35回以上訪れているウクライナ研究の第一人者。

 2月のロシアによる侵攻以降、日本でも関心が高まっている一方で、同国そのものについてはあまり知られていない。その「ウクライナという国を知る入り口の一つになれば」との思いが詰まった一冊だ。

 日本の「隣の隣の国」で、地理や経済規模、ボルシチは実はウクライナ料理だったこと、100年にわたる日本人とウクライナ人の交流の歴史や文化など、基礎的な情報を詳しく紹介している。

 ゼレンスキー大統領をはじめ、多くの政界要人と対面してきた経験や見てきたエピソードを取り上げている。「多様性の国」ウクライナは、政治家にもそのまま当てはまるという。

 2014年のマイダン革命以降、ウクライナでは長年にわたって戦争が続いていた。世界がそこに無関心だったことが、ロシアのプーチン大統領に戦争を決断させた背景の一つにあるかもしれないと説いている。

 (ワニブックス、913円)

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