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ブックレビュー

「思いをつなぐ― 英語で学ぶ、日本の矜持。」 大高 英行著


 過労でうつ病を発症し、自殺を考えた著者を救ったのは、生死を超えた特攻隊の存在だった。特攻隊の笑顔の裏にはどのような思いが隠されていたのか――。外国人が特攻隊の実態について記した文章を原文の英語で綴り、日本語訳との両輪で日本人の先祖の思いをつなぐ一冊だ。

 第一章では江戸時代から大正時代にかけて来日したアルバート・アインシュタインなど11人の外国人の言葉を紹介。第二章では神風特攻隊に焦点を絞り、法律家のマクスウェル・ケネディらによる特攻精神の実態についての解説を綴り、現代の日本人が知らない特攻隊の評価を伝える。

 第三章では日本の敗戦後に語られた歴史学者のリチャード・マイニア氏など外国人の言葉を紹介、日本軍の知られざるエピソードが語られる。

 特別に撮影許可を得て撮影された太刀洗平和記念館、東郷神社内の写真も随所に挿入されており、美術館にいるような味わい深い情景とともに、特攻隊の精神が伝わってくる。外国人が書き残した英文を通じ、日本人の生き様を学ぶことができるだろう。

 (心書院刊、1760円)

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