創刊70年を迎える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です

ブックレビュー

「陸・海・空― 軍人によるウクライナ侵攻分析」 チャンネルくらら+小川清史、 伊藤俊幸、小野田治、桜林美佐著


 3月17日、憲政史家の倉山満氏が主宰するインターネット番組「チャンネルくらら」で、本書のタイトルをテーマにした座談会の映像がアップされた。防衛問題研究家の桜林美佐氏の司会進行で、小川清史元西方総監、伊藤俊幸元呉地方総監、小野田治元教育集団司令官がロシアのウクライナ侵攻を分析・考察したこの番組の内容を書籍化したのが本書だ。

 ロシアのウクライナ侵攻には不可解な点も多い。「なぜロシア軍はウクライナの制空権を奪えなかったのか」「ウクライナ軍はなぜ善戦できたのか」「プーチンは核を使うのか」――。

 こうした疑問点に対し、3氏が陸海空の軍事専門家の立場からそれぞれ詳細に分析、理論的に解説する。その明快さは番組でも好評を博し、この手の専門的な動画としては異例の再生数を記録している。

 本書では番組収録時よりも詳細な解説が追加されている。ウクライナ侵攻という非常事態に対する偏りのない知見が得られるとともに、日本人としてこの事態にどう向き合うかについても考えさせられる。

 (ワニブックス刊、1650円)

最新ニュースLATEST NEWS