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ブックレビュー

「世界の賢人12人が見た ウクライナの未来 プーチンの運命」 クーリエ・ジャポン編


 ユヴァル・ノア・ハラリ、トマ・ピケティ、ジョージ・ソロス、ノーム・チョムスキー、フランシス・フクヤマなど、世界が誇る賢人12人によるウクライナ戦争についての最新論考が余すところなく収録されている。

 世界の主要メディアから厳選した記事を翻訳・紹介するオンラインメディア「クーリエ・ジャポン」が編さんし、刻一刻と変わる戦況の中、できうる限り最新のものを収録したと自負する。

 第二次大戦以降、幾度となく戦争や紛争は繰り返されてきたが、国際的に承認された国家が他国の侵略で地図上から姿を消すことはなかったとハラリが指摘しているように、そのタブーを冒そうとしたのがロシアのウラジミール・プーチンに他ならない。

 12人の論拠で明確に一致しているのは、今回のロシアによるウクライナ侵攻は重大な戦争犯罪だということ。そして今すぐにでもこのような馬鹿げた戦争は停止するべきだということだ。

 その上で、この戦争が起きた背景、プーチンの狙い、これからの世界秩序などを独自の視点から展望した12人の論考は、日々の報道では見えてこない深い視座を我々読者に与えてくれることだろう。(講談社刊、990円)

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