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ブックレビュー

「イラスト・図解で分かる― 災害を生き延びる! 都市型サバイバル」 川口 拓監修


 今後必ずやってくると言われている南海トラフ巨大地震と首都直下地震について、内閣府の地震対策検討ワーキンググループが算出した被害想定はいずれも東日本大震災を超えるとしている。およそ日本人の2人に1人が被災者になる試算だ。

 本書は首都圏だけでなく日本中で想定されるライフラインの遮断、帰宅難民、避難所難民などの事態に対し、川の水や雨水を浄水する方法や命を守る非常用「持出し袋」の作り方、さらに体温は「3層」で保持するなど、「まさか」の時に役立つ危機管理の心構え、テクニックを余すことなく収録している。

 自衛隊教官でもあり、警察などにも危機管理コンサルを行う著者は、災害時のサバイバル環境下では何よりも「自助」が大切だと語る。「自分を守る」(セルフレスキュー)の思考、危機管理意識を養い、有事の際にパニックに陥ることなく、生き延びるために本書を役立ててほしいと語る。

 A4サイズで100ページ以内の分量に写真や図がふんだんに盛り込まれ、誰でも気軽に手に取れる仕様。それぞれのシーン別の防災テクニックや防災グッズリストなどは大変実用的で、価格も良心的だ。

 (イースト・プレス刊、968円)

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