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ブックレビュー

「陸上自衛隊ますらお日記」 ぱやぱやくん著


 ひとたび災害派遣となれば腰まで泥水に浸かりながら人々を救助し、レンジャー訓練では厳しいタスクをクリアしつつ山の中を駆け回る。そんな陸自隊員たちの姿を「オン」とすれば、では「オフ」の時はどうなのか?

 本書は、防大出身で元陸自隊員だった「ぱやぱやくん」が、ツイッターで明らかにしてきた陸自隊員の知られざる素の姿を書籍用にまとめたもの。「ますらお」とは「強く堂々とした立派な男子」の意味で、ここでは陸自隊員を指す。

 「マイ小銃に“ジョニー”と愛称をつけ愛でる」「恐ろしい鬼教官が居酒屋で娘に“パパでちゅよ”と電話していた」「甘党が多くシュークリームやエクレアを買い占める」などなど、ユニークなエピソードが満載だ。

 本書を読んだからといって「自衛隊式」の整理術や筋トレ術が身に付くわけではない。しかし一方で、「悲観的に準備して、楽観的に対応する」といったように、「ますらお」達が過酷な日々を乗り越えるメンタル術も紹介されており、危機管理のヒントが随所に散りばめられている。

 可笑しくも愛すべき「ますらおワンダーランド」の日々をのぞいてみたら、今まで以上に自衛隊が身近に感じられるに違いない。

 (KADOKAWA刊、1430円)

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