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ブックレビュー

「台湾有事のシナリオ ~日本の安全保障を検証する」 森本 敏、小原 凡司編著


 米中露などの大国による新たな戦略的競争の時代に突入した現在、日本がとるべき安全保障政策とその課題は何か。

 本書は笹川平和財団安全保障研究グループの「日米同盟の在り方研究」プロジェクトの議論の成果として出版されたもので、米国ヘリテージ財団と重ねた研究会などをベースに、台湾をめぐる軍事衝突について考え得るシナリオを描き出し、日本が直面するであろう課題について考察する。

 執筆陣は編著者の森本敏元防衛相、小原凡司笹川平和財団上席研究員をはじめ、執筆順に▽長島純元空自幹部学校長▽廣中雅之元教育集団司令官▽磯部晃一元東方総監▽池田徳宏元呉地方総監▽武居智久元海幕長▽黒﨑将広防大総合安全保障研究科准教授▽真部朗元防衛審議官が全10章を分担執筆し、豊富な実務・研究経験を基に最新の知見を提供する。

 軍事的緊張が高まる中、連続した情勢判断と意思決定を強いられることになる日本が今考えておくべきことは何なのか。我々一人一人が日本の在り方を自ら考え、議論していかなくてはならないと訴えている。

 (ミネルヴァ書房刊、3850円)

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