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ブックレビュー

「脳を最大限に活かす 究極の運動法」 久賀谷 亮著、中野ジェームズ修一監修


 誰もが一度は聞いたことがある「やる気スイッチ」という言葉。もし日常のトレーニングで、このスイッチを切り替えることができたなら、そして効率よく力を発揮し持続させることができたなら――。本書はそんな願いにこたえてくれる一冊だ。米・イェール大学で先端脳科学研究に携わり臨床医でもある筆者が、身体を動かすことで脳の力を引き出す方法をストーリー仕立てで紹介する。

 主人公の清水琢磨はシステムエンジニア。会社ではお荷物的存在で、家庭では夫婦喧嘩が絶えない。そんな彼が会社のトライアスロンチームの選手に選ばれたことから物語が始まる。コーチのルイーザの指導のもと清水は、「やる気を出すエクササイズ」や「遂行機能を高めるエクササイズ」に挑戦。最初は効果に懐疑的だった彼の身体や仕事のパフォーマンスに、少しずつ変化が現れる。

 身体のどの部分を動かせば、脳のどの部分に効果があるかが図解されていて分かりやすい。例えばマルチタスクをこなす作業記憶のアップにはMIITというトレーニングが良く、これは前頭葉や海馬、小脳に効くといった具合だ。

 どれも仕事の合間に取り組めるものばかり。スポーツだけではなく仕事のパフォーマンスアップにも役立つだろう。

 (朝日新聞出版刊、1760円)

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