創刊70年を迎える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です

　“中国人の聖書”と呼ばれる「孫子の兵法」に記されている言葉を分かりやすい表現にかみ砕いた後、さまざまな現代ビジネスの事例や史実などを交えて解説する実用書。「孫子の兵法」はマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏など成功した経営者らが愛読していることでビジネスの世界でも知られており、競争社会に生かせる経営のエッセンスが散りばめられている。

　本書は２０１１年に出版された『超訳　孫子の兵法』を改訂・再編集したリニューアル版で、オリジナル版も出版してから１０年以上売れ続けたベストセラー本だ。著者が孫子に対する理解をさらに深め、過去の著作に不足を感じたのを機に発展させたという。

　「原文の意味に最も近く、最も理解しやすい現代語訳」を目指したとし、例えば「長期戦は百害あって一利なし」という言葉の解説には頓挫したプロジェクトを例に挙げ、開発に８年かけたゲームの商用化に失敗した企業の実例などを挙げている。仕事で窮地に立たされた時に必要な「正しい意思決定」とは何かを学べる一冊だ。

（彩図社刊、１０００円）