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ブックレビュー

「世界の動きとつなげて学ぶ 日本国防史」 宗像 久男著

 終戦後の常識となっている「日本の歴史」に疑問を持ち続けていた元陸自東北方面総監の著者が、約20年にわたり史実を追い求めた集大成。新たな視点から見る歴史書だ。自衛隊家族会発行の『おやばと』に「我が国の歴史を振り返る」のタイトルで連載された記事を再編集し、書籍化した。

 江戸時代の鎖国を経て、明治維新の政策、日清・日露戦争、さらに大正時代から激動の昭和に至るまでの「国防史」をメインテーマに、周辺国など世界の動きとつなげて振り返る。西欧諸国の脅威に対処するため、先人たちがいかにして我が国の独立を保持し続けてきたかに焦点を当て、戦争に至る背景、敗因とその教訓を分析している。

 「世界の動きと日本の動きを同時並行的に追うことで、その時代のリーダーの立場で歴史を見る目が育ち、これまでの歴史書と違った歴史が見えてきた」と著者。階層・階級を問わず歴史を学び、教訓を未来に生かす意義を強調する。

 (並木書房刊、2200円)

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