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ブックレビュー

「なぜ女系天皇で日本が滅ぶのか」 門田隆将、竹田恒泰著


 明治天皇の玄孫にあたる旧皇族の憲法学者と反皇室勢力に詳しい気鋭のジャーナリストが20時間もの激論を交わし、万世一系の皇統を継承する意義とそのための具体的方法を提示した。

 全9章で構成。男女平等などの現代的価値観では図れない男系男子で2千年以上にわたって受け継がれてきた皇統の重要性を、天皇と国民を結ぶ三つの縁「治縁」「心縁」「血縁」からひもとく。

 男系を維持する最善の案として、GHQにより臣籍降下させられた旧宮家の復帰案より予算措置などがなくハードルが低い養子案を提言。

 父方が天皇につながらないいわゆる女系天皇を推奨するリベラル勢力の真意と、その理論的根拠となっている八月革命説についても熱く意見を交わす。

 終戦時にマッカーサー元帥に「私の一身はどうなろうと構わない。どうか国民が生活に困らぬようお願いしたい」と語り、示した昭和天皇の大御心や、天皇陛下の宮中祭祀も紹介する。

 皇位継承問題への疑問を解消させるとともに、それが日本人一人一人の問題であることに気づかせてくれる。

(ビジネス社刊、1650円)

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