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ブックレビュー

「無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和」 渡瀬 裕哉著

  「規制緩和をすると日本経済が元気になる。日本を開かれた国家にしよう」――。一部の政治家や大学教授らが必要性を強調する「規制緩和」だが、そもそも現在、我々が影響を受けている規制について知らない人が多いのではないだろうか。選挙コンサルタントとして公共政策の立案に携わってきた著者がさまざまな分野の規制の実態をひもとく。

 著者はまず、我々の生活に多大な影響を与えた新型コロナに関し、製薬産業の課題について言及。過去の歴史と経緯を振り返りながら、同業界への投資など今後のあるべき姿を提言する。

 さらに日本を開かれた国家とするために環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、江戸末期のペリー来航からの経緯を振り返った上でその必要性を強調、規制を減らし、税を整理することにより、国民が豊かになると論じる。

 ラジオ放送を再編集した書籍だけに、敬遠しがちな政治・経済の説明もわかりやすい。身近な歴史を振り返りながら、規制や税の構造について肩の力を抜いて理解できる一冊だ。(ワニブックス刊、1320円)

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